赤血球輸血を制限することは、非制限より院内感染症リスクを減少

e0156318_22453340.jpg 赤血球輸血と院内感染症リスクの話題です。非常に興味深いですね。

Jeffrey M. Rohde, et al.
Health Care–Associated Infection After Red Blood Cell Transfusion
A Systematic Review and Meta-analysis
JAMA. 2014;311(13):1317-1326. doi:10.1001/jama.2014.2726.


背景:
 赤血球輸血とヘルスケア関連感染症の関連性についてはよく分かっていない。

目的:
 赤血球輸血が感染のリスク上昇と関連しているか、またそのリスクが白血球除去とは独立したリスクなのかどうか検証する。

データ:
 2014年1月22日までのMEDLINE, EMBASE, Web of Science Core Collection, Cochrane Central Register of Controlled Trials, Cochrane Database of Sytematic Reviews, ClinicalTrials.gov, International Clinical Trials Registry, the International Standard Randomized Controlled Trial Number registerからのデータ。

研究:
 輸血制限群と非制限群の戦略を比較したランダム化比較試験。

データ抽出:
 8735人の患者を含む21のランダム化比較試験が適格基準を満たし、18試験(7593人)がメタアナリシスに妥当なデータを有していた。DerSimonian-Lairdランダムモデルを用いてオッズ比を統合。感染の絶対リスクはプロファイル尤度ランダム効果法を用いて計算された。

アウトカム:
 肺炎、縦隔炎、創傷感染、敗血症といったヘルスケア関連感染症の発生率。

結果:
 全体の重篤な感染症の発生率は、輸血制限群で11.8%(95%信頼区間7.0%-16.7%)、輸血非制限群で16.9%(95%信頼区間8.9%-25.4%)と輸血制限群で有意な減少がみられた。重篤な感染症に対するリスク比は0.82(95%信頼区間0.72-0.95)。白血球除去を行った試験についてみてもリスク比0.80(95%信頼区間0.67-0.95)と有意であった。対象患者別で観察すると、整形外科術後(リスク比0.70、95%信頼区間0.54-0.91)、敗血症(リスク比0.51、95%信頼区間0.28-0.95)で特に感染症の減少効果が強くみられた。心疾患、重症患者、上部消化管出血、低出生体重児では輸血制限の有無による差はみられず。

結論:
 入院患者において、赤血球輸血を制限する戦略は非制限と比べヘルスケア関連感染症のリスクを減少させる。赤血球輸血の制限は潜在的に感染症の発生を低くするかもしれない。


by otowelt | 2014-04-14 00:53 | 集中治療

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