敗血症治療中の新規発症心房細動はその後の心不全、脳卒中、死亡のリスク

e0156318_2361973.jpg カテコラミンを使用している重症患者さんでは心房細動はよく経験します。その心房細動が将来的なリスクを孕むという重要な報告です。

Allan J. Walkey, et al.
Long term outcomes following development of new-onset atrial fibrillation during sepsis
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-0003


背景:
 新規発症の心房細動は敗血症の入院中の転帰不良と関連しているが、敗血症関連新規発症心房細動を起こした入院患者の長期的アウトカムについては不明である。

方法:
 われわれは1999年~2010年の敗血症で入院し生存した患者を同定した。心房細動は「心房細動なし」「心房細動の既往あり」「新規発症心房細動」に分類した。心房細動、心不全、脳卒中、敗血症入院後の死亡率の5年リスクを同定するために競合リスクモデルを用いた。

結果:
 138722人の敗血症生存者を同定し、95536人(69%)が心房細動を発症せず、33646人(24%)が心房細動の既往があり、9540人(7%)に新規発症の心房細動が観察された。
 敗血症治療中の新規発症心房細動患者において、その後の心房細動罹患は心房細動のなかった患者と比較してよくみられた(54.9% vs. 15.5%)。敗血症治療中に心房細動を発症しなかった患者と比較すると、新規発症心房細動患者は心不全の5年リスクが高かった[11.2% vs 8.2%;多変量補正ハザード比1.25, (95%信頼区間1.16-1.34)]。また、脳卒中[5.3% vs 4.7%; 多変量補正ハザード比1.22 (95%信頼区間1.10-1.36)]、死亡(74.8% vs 72.1%;多変量補正ハザード比1.04 (95%信頼区間1.01-1.07)].のリスクも増加させた。
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(文献より引用)

結論:
 敗血症の治療中に心房細動を新規発症した生存者のほとんどは退院後も心房細動を罹患しており、長期にわたって心不全、脳卒中、死亡のリスクを上昇させる。


by otowelt | 2014-04-25 00:44 | 集中治療

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