高齢COPD患者に対するベンゾジアゼピンの新規使用は呼吸器系アウトカム増悪リスクを上昇

e0156318_13444727.jpg 安易なベンゾジアゼピンの使用は確かに避けるべきと考えます。かといって、使用すべきでないという結論は短絡的でしょう。
 高齢者に対するベンゾジアゼピンの使用については、最近JAMAからも報告がありますね(Reduction of Inappropriate Benzodiazepine Prescriptions Among Older Adults Through Direct Patient Education. The EMPOWER Cluster Randomized Trial. JAMA Intern Med. Published online April 14, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.949)。
 以下、今回のERJの報告です。

Nicholas T. Vozoris, et al.
Benzodiazepine drug use and adverse respiratory outcomes among older adults with COPD
ERJ April 17, 2014 erj00080-2014


目的:
 われわれの目的は、高齢COPD患者に対して新規にベンゾジアゼピンを使うことが臨床的呼吸器系アウトカムに悪影響を与えるかどうか調べることである。

方法:
 これはカナダのオンタリオの住人に対して2003年~2010年に行われたレトロスペクティブコホート研究である。コホートから66歳以上のCOPD患者を同定した。ベンゾジアゼピン非使用と比較して、これを使用した場合の30日以内の重要な臨床的呼吸器系アウトカムの相対リスクを算出した。

結果:
 新規にベンゾジアゼピンを使用した場合、有意に外来患者の呼吸器系の増悪リスク(相対リスク1.45, 95%信頼区間1.36–1.54)、COPDあるいは肺炎での救急受診リスク(相対リスク1.92, 95%信頼区間1.69–2.18)が非使用者と比較して有意に上昇した。また、COPDあるいは肺炎による入院リスクも上昇したが統計学的には有意ではなかった(相対リスク1.09, 95%信頼区間1.00–1.20)。ICU入室には差はみられず、全死因死亡率についてはむしろ新規ベンゾジアゼピン使用者の方がわずかに低かった。
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(文献より引用:外来患者の呼吸器系増悪リスク)
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(文献より引用:救急受診リスク)

結論:
 高齢COPD患者に対する新規ベンゾジアゼピン使用は、いくつかの重篤な呼吸器系アウトカムのリスクを上昇させる。高齢COPD患者に対してベンゾジアゼピンを使用を決定する場合には、潜在的な呼吸器系アウトカムの悪化を考慮する必要がある。



 

by otowelt | 2014-04-29 00:15 | 気管支喘息・COPD

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