家族性IPFと孤発性IPFの臨床的特徴の比較

e0156318_21341355.jpg IPFに関連する遺伝子としてMUC5Bは有名ですが、MUC5Bの転写開始点の上流にあるSNP(rs35705950)が関与しているのではないかと考えられています。

ATS2013+JAMA:MUC5Bと特発性肺線維症の関連 

 私の知る限りでは、家族性と孤発性を厳密に分類するポイントはゲノムレベルでは解明されていません。

Ravaglia C, et al.
Features and outcome of familial idiopathic pulmonary fibrosis.
Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2014 Apr 18;31(1):28-36.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は多くの例で孤発性に発症するものだが、ときに家族性に発症することがある。孤発性のIPFの臨床的特徴はよく定義されているが、家族性IPFの臨床所見、合併症、アウトカムなどについては定義されていない。このレトロスペクティブの研究では、家族性IPFの連続例の臨床パラメータや生存期間について調べた。

方法:
 2005年1月から2011年12月までの間、われわれの施設において30人の家族性IPFと診断された患者を登録し、そのうち7人が親子関係にあった。非家族性IPFの127人の患者と臨床的特徴などを比較検討した。

結果:
 家族性IPF患者と非家族性IPF患者の間に臨床症状やアウトカムに差は見られなかったが、家族性IPFは女性に多くみられ、発症が若年性であった(平均発症年齢57.8歳 vs 74.2歳、p<0,001)。急性増悪やIPFの進行、肺癌については、家族性IPF患者の方の死因として多く観察された(p=0.005)。

結論:
 臨床症状や身体所見から家族性IPFは孤発性IPFと鑑別困難であるが、家族性IPFは比較的若年発症であると考えられた。


by otowelt | 2014-05-02 00:10 | びまん性肺疾患

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