メタアナリシス:ARDSに対する腹臥位療法は十分な時間をもうけることで死亡率減少効果を増大

e0156318_2334482.jpg 腹臥位療法のメタアナリシスです。

Lee JM, et al.
The Efficacy and Safety of Prone Positional Ventilation in Acute Respiratory Distress Syndrome: Updated Study-Level Meta-Analysis of 11 Randomized Controlled Trials
Crit Care Med. 2014 May;42(5):1252-62


目的:
 ARDSに対する人工呼吸中の腹臥位療法の生存期間への効果が議論されている。近年の多施設共同ランダム化比較試験によれば、この治療法は28日死亡率および90日死亡率の有意な減少をもたらしたとされている。われわれは、このトピックについてメタアナリシスを行い、腹臥位療法の死亡率や合併症に対する影響を検証した。

研究:
 ARDS患者における腹臥位療法と通常の仰臥位での治療を比較したランダム化比較試験。2013年5月までのPubMed, EMBASE, BioMed Central, Cochrane Central Register of Controlled Trials, ClinicalTrials.gov, and conference proceedings.

結果:
 成人ARDSに行われた腹臥位療法に関する11のランダム比較試験、合計2246人の患者を対象に解析した。1142人が腹臥位療法を受けた。人工呼吸中の腹臥位療法は、全体として有意に死亡率を減少した(オッズ比0.77;95%信頼区間0.59-0.99、 p = 0.039; I2= 33.7%)。
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(文献より引用)

 1日10時間以上かけて腹臥位療法をおこなった8試験(1100人)と10時間未満の3試験(1146人)に分けた場合、1日10時間以上の腹臥位療法により死亡率低下が観察された(オッズ比0.62;95%信頼区間0.48-0.79、p = 0.039; pinteraction= 0.015)。10時間未満の腹臥位療法では死亡率の低下がみられなかった(オッズ比1.04; 0.80-1.36、p = 0.757; I2 = 10.7%)。
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(文献より引用)

 また、腹臥位療法は褥瘡の発生率を増加させ(オッズ比1.49; 95%信頼区間1.18-1.89、p = 0.001; I2= 0.0%)、主要な気道合併症(予定外の抜管など)を増加させた(オッズ比1.55;95%信頼区間1.10-2.17、p = 0.012; I2= 32.7%)。特に気道合併症として気管チューブの閉塞が主であった(オッズ比2.16;95%信頼区間1.53–3.05; p < 0.001; I2= 0.0%)。

結論:
 重症ARDS患者における腹臥位療法は有意に死亡率を低下させる。十分な腹臥位療法の時間が死亡率に減少に寄与するものと考えられる。しかし、腹臥位療法は褥瘡や気道合併症を増加させる。


by otowelt | 2014-04-26 00:30 | 集中治療

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