ATS2014:気管支喘息に対するトリプル吸入療法(スピリーバレスピマット®+ICS/LABA)

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 難治性喘息患者におけるトリプル吸入(吸入ステロイド薬+吸入長時間作用型β2刺激薬+吸入抗コリン薬)について、2つ紹介します。

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K. Ohta, et al.
Once-Daily Tiotropium Respimat® Is Well Tolerated And Efficacious Over 52 Weeks In Japanese Patients With Symptomatic Asthma Receiving Inhaled Corticosteroids (ICS) ± Long-Acting β2-Agonist (LABA): A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study
[Publication Number: A1311]


方法:
 日本の54施設におけるランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験である。患者はすでに気管支喘息の治療を受けている成人患者(18~75歳)とし、52週にわたってランダムにスピリーバレスピマット®5 µg、同2.5 µg、プラセボに割り付けられた。気管支喘息の診断は40歳以前に下された既治療患者を対象とし、7質問喘息コントロール質問票の平均スコアが1.5点以上で、気道可逆性がみられるものとした。気管支喘息の治療は中等量の吸入ステロイド薬±長時間作用型β2刺激薬を4週間以上導入されていることを条件とした。プライマリエンドポイントは長期安全性とし、セカンダリエンドポイントはトラフ一秒量、PEFRとした。

結果:
 285人の患者がランダム化され、264人が治療を完遂した。平均年齢は44.5歳で、61.8%が女性だった。重篤な有害事象はレスピマット®5µg、2.5 µg、プラセボ群でそれぞれ4人(3.5%)、4人(3.5%)、9人(15.8%)であった。12週目、36種目、52週目における補正平均トラフ一秒量は、プラセボと比較して有意にレスピマット®5µg群で高かった(52週目の差:0.112 L [95%信頼区間0.018~0.207; p=0.0203])。2.5 µg群とプラセボの間には有意な差はみられなかった(p=0.7971)。また、補正平均PEFRもプラセボと比較して有意にレスピマット®5µg群で高かった(24週目の差:28.981 L/min [95%信頼区間5.047~52.916; p=0.0177]、52週目の差:34.176 L/min [95%信頼区間9.919~58.432; p=0.0058])。同様に2.5μg群とプラセボの間には有意な差は観察されなかった。


A32
H.A.M. Kerstjens, et al.
Tiotropium Respimat® Add-On Therapy To Inhaled Corticosteroids (ICS) + Long-Acting β2-Agonists (LABAs) In Patients With Symptomatic Severe Asthma: Efficacy By Level Of Airway Obstruction
[Publication Number: A1312]


方法:
 この二重盲検プラセボ対照並行群間試験において、1日1回のチオトロピウムレスピマット®5 µgとプラセボの効果を比較した。患者は18~75歳の成人患者で、高用量吸入ステロイド薬(ブデソニド800μg/日相当量以上)および吸入長時間作用型β2刺激薬を4週間以上を使用していることを条件とした。COPD患者など他の呼吸器疾患は除外した。プライマリエンドポイントは24週目のピーク一秒量(0-3h)およびトラフ一秒量(ベースラインからの差)とした。

結果:
 912人の患者がランダムにレスピマット®群(456人)とプラセボ群(456人)に割り付けられた。両群とも患者背景は同等であった。気管支拡張薬投与後の一秒量(%予測値)別の解析では、プラセボと比較してレスピマット®群においてピーク一秒量(0-3h)およびトラフ一秒量の有意な改善がみられた(%予測値<60%のサブグループ:いずれもp<0.001、%予測値60~80%のサブグループp=0.015、p=0.022)。
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(Abstractより引用)

 気流制限が強い方が、より効果が高いという結果であった。


by otowelt | 2014-05-19 04:16 | 気管支喘息・COPD

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