ATS2014:動脈穿刺時の疼痛は針の太さのせいではない、患者の不安によるもの

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 「針を刺すときの痛みは針の太さのせいじゃない」という臨床に直結した論文です。これは動脈穿刺に限ったことではないと思います。
 胸腔穿刺の場合、キシロカインを用いた局所麻酔時に胸膜を貫通する際痛みを感じるわけですから、1回穿刺の場合には局所麻酔は不要ではないかと個人的に考えています。もちろん胸腔ドレナージみたいな侵襲的処置は必須でしょうが。

C101
M. Patout, et al.
Pain And Anxiety During Arterial Puncture: A Randomized Controlled Trial On Needle Size
[Publication Number: A5132]


背景:
 血液ガス分析の際の動脈穿刺は痛い手技である。リドカインを皮下に注射することで痛みを軽減できるが、これは滅多に行われない。

目的:
 この研究の目的は、25G針による動脈穿刺が23G針と比較して痛みを減らすことができるかどうか解析することである。

方法:
 これはプロスペクティブ二重盲検単施設研究である。動脈穿刺を受ける患者はランダムに23G針群と25G針群に割り付けられた。VASによって患者に痛みや不安について尋ねた。

結果:
 200人の連続患者が登録された。23Gは25Gと痛みの度合いが同程度であった(6.63mm [0 – 19] vs 5.21mm [0 – 18.49]、p= 0.527)。痛みを感じる瞬間はそれぞれの針で異なっていた。たとえば、23G針の場合、25Gと比較して挿入時の痛みが強かった(p= 0.0476)。動脈穿刺の初回の失敗率については両群に差はなかった(p= 0.1944)。また、25G針の穿刺の方が穿刺時間が長かった(42秒 [35 – 55] vs 33秒 [24.5 – 35]、p= 0.002)。穿刺時間と患者の痛みの間に関連性はなかった(p= 0.4196)。
 動脈穿刺前の不安レベルと患者が感じる痛みに相関がみられた(r: 0.369、p < 0.0001)。

結論:
 25Gによる動脈穿刺は疼痛を減らすためには有効ではない。患者の不安が動脈穿刺時の疼痛と関連している。


by otowelt | 2014-05-21 05:34 | 呼吸器その他

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