ATS2014:胸部レントゲンにおける悪性胸水の量が多いと予後不良

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M.F. Montero-Arias, et al.
Pleural Effusion Size As A Prognostic Marker In Patients With Malignant Pleural Effusion: A Retrospective Cohort Study
[Publication Number: A5485]


背景:
 悪性胸水(MPE)は腫瘍細胞が直接胸膜に浸潤することで発生し、予後を不良にさせる。複数の研究によって、その臨床的特徴や生化学的パラメータに基づいて死亡を予測することがこころみられているが、その結果は一致しないことが多い。われわれは、臨床的、生化学的、放射線学的な予後の特徴を5年におよぶレトロスペクティブ試験において検討した。

方法:
 2008年1月から2013年7月までの間、MPEと診断された患者を連続して登録した。患者の臨床データ、放射線学的特徴、生化学的解析が診療録から抽出された。患者は胸部レントゲン写真で4群に分類された。すなわち、胸水量が胸腔の25%未満、25~50%、50~75%、75%超の4群である。全生存期間がKaplan Meier法によって算出された。また、Cox比例回帰モデルによってハザード比を算出した。

結果:
 MPEのある110人の患者が登録され、72人(65%)が女性で平均年齢は61±15歳だった。59人(54%)が癌の既往があった。すべてのMPEはリンパ球が優位であり、平均胸水グルコースは108±54mg/dL, 胸水LDHは515±580UL/mL、胸水pHは7.1±0.2だった。もっともよくみられたMPEの原因は肺癌が40人(36%)で、続いて乳癌34人(31%)だった。全生存期間中央値は8.3ヶ月だった。腫瘍によって生存期間に差はみられなかった(p=0.812)。年齢、胸水pHや胸水LDHなどで分類しても予後予測因子にはなりえなかった。しかし胸水量は有意に生存期間を予測した。胸水量が25%増えるごとに死亡リスクは1.78倍上昇した(95%信頼区間1.11-2.91, p<0.001)。MPEが胸部レントゲンで胸腔の50%未満の患者はそれを上回る患者と比較して生存期間が長かった(15.7ヶ月 vs 5.7ヶ月、ハザード比1.71; 95%信頼区間1.06 – 2.78; p=0.002)。
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(Abstractより引用)

結論:
 胸部レントゲンにおけるMPEの量は有意に生存を予測する因子であった。


by otowelt | 2014-05-22 12:05 | 肺癌・その他腫瘍

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