ATS2014:血清MMP-7の増加はIPFの死亡リスクを上昇させる

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 シンポジウムでたびたび登場しているRichardsらの報告というのは、Am J Respir Crit Care Med. 2012 Jan 1;185(1):67-76. のことです。

C14
D.W. Ruhrmund, et al.
Matrix Metalloproteinase (MMP)-7 Predicts Mortality In Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF), [Publication Page: A3924]



背景:
 IPFは進行性に呼吸機能を障害する慢性疾患であり、その死には呼吸不全が最も関与する。しかしながら、IPFの臨床経過は多様であり、臨床および生理学的パラメータに基づく予測モデルにより死亡リスクを類推してきた。近年の研究では、分子および遺伝子マーカーによってIPFの死亡を予測できることが示唆されている。その1つがMMP(matrix metalloproteinase)-7である。Richardsらは血清MMP-7濃度の増加が死亡リスクの上昇と関連していることを報告している。この研究は、ランダム化比較試験の大規模患者コホートにおいて血清MMP-7が死亡リスクの予測に与える影響を調べたものである。

方法:
 INSPIRE試験において、ベースラインの血清サンプルが583人の患者から採取された(うち392人はその後インターフェロンγ治療を受けている)。血清MMP-7はELISAによって測定された。MMP-7と総死亡との関連がCox比例ハザードモデルを用いて検討された(年齢、性別、努力性肺活量、DLCO、6分間歩行距離で補正)。

結果:
 INSPIRE試験の患者集団から採取された血清MMP-7値は様々な値をとった(中央値7.6 ng/mL, 範囲0.9-30.5 ng/mL)。最も高い三分位のMMP-7(≥9.5 ng/mL)は、最も低い三分位のMMP-7の集団よりも有意に高い死亡率であった(36/195 [18.5%] vs. 44/388 [11.3%]; 非補正ハザード比=1.80, p=0.009)。補正後もMMP-7は有意に患者コホートにおける生存に関連していた(ハザード比=1.56, p=0.054)。

結論:
 血清MMP-7の増加は、IPFにおける死亡リスクを上昇させる。


by otowelt | 2014-05-21 04:49 | びまん性肺疾患

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