ATS2014:呼吸困難感は死亡リスクを上昇させる

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 Pesola医師は会場で「Dyspnea may be a sign of lung disease, heart disease, or a number of other potentially life-threatening conditions」と述べています。

G.R. Pesola, et al.
Dyspnea As A Predictor Of All-Cause Mortality In Rural Bangladesh: A Population-Based Prospective Study


背景:
 呼吸困難感がその後の死亡リスクを上昇させるかもしれない。

方法:
 2000年から2002年までの間に11756人の患者(18~75歳)を登録し、12年間フォローアップした。呼吸困難感については登録時に質問票を用いて聞いた。呼吸困難感とその後の死亡の関連についてCox比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比および95%信頼区間を算出した。補正因子としては、年齢、性別、喫煙歴など。

結果:
 12年間で782人が死亡した。ベースラインにおいて呼吸困難感がある患者はそうでない患者と比較して死亡リスクが上昇した(ハザード比2.73、95%信頼区間2.27 – 3.28)。年齢、性別、教育、血圧、BMI、喫煙歴、飲料水のヒ素濃度で補正したところ、それでもハザード比は高かった(ハザード比2.10、95%信頼区間1.74 – 2.52)。

結論:
 呼吸困難感のある人はそうでない人と比べて死亡リスクが2倍高い。


by otowelt | 2014-05-20 17:18 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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