アノーロ®エリプタはチオトロピウム単剤、ビランテロール単剤と比較してトラフ1秒量を有意に改善

e0156318_1446429.jpg ウメクリジニウム/ビランテロールについては、グラクソ・スミスクライン社から、すでにアノーロ®エリプタという名前で承認がおりています。エリプタで吸入する薬剤は、レルベアに次いで2剤目ですね。
 吸入ステロイド薬+LABAの組み合わせは覚えにくいのですが、さらにLAMA+LABAという組み合わせも登場するようになり、現場は混乱しております。


・吸入ステロイド薬+LABA
 アドエア
 シムビコート
 フルティフォーム
 レルベア

・LAMA+LABA
 ウルティブロ
 アノーロ

 ノバルティスファーマのブリーズヘラーとグラクソスミスクラインのエリプタを使用した製剤の発売スピードが早いです。ブリーズヘラーの場合、

ウルティブロ=シーブリ(グリコピロニウム)+オンブレス(インダカテロール)

 という足し算が成立しますが、ウメクリジニウムとビランテロール単剤がまだ商品化されていないため、アノーロは合剤のみを覚える必要があります。ウメクリジニウムは5月23日にグラクソ・スミスクライン社が申請を出していますので、いずれこれも商品名の足し算を覚える必要があるでしょうね。海外ではウメクリジニウムはIncruse(インクルース)という商品名で申請されています。

 現場の意見としては、ちょっと吸入薬が多すぎます。非呼吸器科医にとっては、もう匙を投げてしまうくらいの多さです。


Marc Decramer, et al.
Efficacy and safety of umeclidinium plus vilanterol versus tiotropium, vilanterol, or umeclidinium monotherapies over 24 weeks in patients with chronic obstructive pulmonary disease: results from two multicentre, blinded, randomised controlled trials
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 15 May 2014


背景:
 COPDに対する長時間作用型の気管支拡張薬の併用は、単剤と比較して効果的かもしれない。われわれは、中等症以上のCOPD患者においてウメクリジニウム/ビランテロール(UMEC/VI)をチオトロピウム単剤、ウメクリジニウム単剤、ビランテロール単剤と比較した。

方法:
 2つの多施設共同ランダム化二重盲検ダブルダミー並行群間試験において、40歳以上の中等症以上のCOPD患者に対して、1:1:1:1にウメクリジニウム125μg+ビランテロール25μg(UMEC125/VI25)群、ウメクリジニウム62.5μg+ビランテロール25μg(UMEC62.5/VI25)群、チオトロピウム18μg(TIO)群、ビランテロール25μg(VI)群(スタディ1)あるいはウメクリジニウム125μg(スタディ2)に割り付けた。すべての薬剤は1日1回24週間続けられた。TIOはハンディヘラーで吸入し、その他はすべてエリプタドライパウダーで吸入した。
 2試験のいずれともプライマリ効果エンドポイントは、169日目のトラフ1秒量とした(ITT解析)。

結果:
 1141人の患者がスタディ1に登録され、1191人の患者がスタディ2に登録された。
 スタディ1でITT解析が可能であったのは、TIO群208人、VI群209人、UME125/VI25群214人、UMEC62.5/VI25群212人であった。同様にスタディ2では、TIO群215人、UMEC群222人、UME125/VI25群215人、UMEC62.5/VI25群217人であった。いずれの試験においても、169日目のトラフ1秒量は合剤群において有意な改善がみられた。
 TIO単剤と比較:スタディ1, UMEC125/VI25: 0.088 L [95%信頼区間0.036 to 0.140; p=0.0010]; スタディ1, UMEC62.5/VI25: 0.090 L [95%信頼区間0.039 to 0.141; p=0.0006]; スタディ2, UMEC125/VI25: 0.074 L [95%信頼区間0.025 to 0.123; p=0.0031]; スタディ2, UMEC62.5/VI25: 0.060 L [95%信頼区間0.010 to 0.109; nominal p=0.0182])
 VI単剤と比較(スタディ1):UMEC125/VI25: 0.088 L [95%信頼区間0.036 to 0.140; p=0.0010]; UMEC62.5/VI25: 0.090 L [95%信頼区間0.039 to 0.142; p=0.0006]
 UMEC単剤(スタディ2)と比較については有意差は観察されなかった。
 すべての治療群において呼吸困難感と健康関連QOLの改善がみられたが、症状の差、健康ステータス、急性増悪のリスクについては合剤とTIO群で差はみられなかった。
 治療関連有害事象についてはいずれの試験においても一定の急性増悪が観察された。

結論:
 COPD患者において1日1回のUMEC/VI吸入はVI単剤、TIO単剤と比較して有意に呼吸機能を改善させる。中等症以上のCOPD患者においてUMEC/VIの合剤が推奨される。


by otowelt | 2014-05-26 00:07 | 気管支喘息・COPD

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