再発C.difficile感染症に対する凍結糞便を用いた糞便微生物移植の有効性

e0156318_1654535.jpg すっかりC. difficile感染症の治療でおなじみになった糞便微生物移植のうち、凍結糞便を用いた注入法の報告です。 
 Discussionに興味深い一文がありました。

“We are now studying oral delivery of frozen encapsulated material as the next logical step in making FMT more accessible to patients.”

Ilan Youngster, et al.
Fecal Microbiota Transplant for Relapsing Clostridium difficile Infection Using a Frozen Inoculum From Unrelated Donors: A Randomized, Open-Label, Controlled Pilot Study
Clin Infect Dis. (2014) 58 (11): 1515-1522. doi: 10.1093/cid/ciu135


背景:
 通常の治療でも効果がみられない再発性のClostridium difficile感染症(CDI)に対する治療に関心が集まっている。われわれは、再発性CDIに対して他人の凍結糞便を用いた糞便微生物移植(fecal microbiota transplant:FMT)を大腸内視鏡的および経鼻胃管の2治療で比較した。

方法:
 凍結糞便は健康な成人から得られた。再発性および治療不応性CDI患者はランダムに大腸内視鏡および経鼻胃管によって糞便を投与される群に割り付けられた。プライマリエンドポイントは8週間後時点における下痢の臨床的軽快とした。セカンダリエンドポイントは自己申告の健康スコアとした。
 糞便提供者(ドナー)は外傷以外にいかなる既往歴も有さない健康な成人とした。糞便採取前にマグネシアミルクを飲んでもらった。糞便懸濁液は、防腐剤を用いずに生理食塩水とブレンダーで混合した。その後、粒子状物質を除去した。遠心分離によって3倍に濃縮し、10%グリセロールで滅菌生理食塩水に再懸濁として添加した。その後-80℃に凍結した。

結果:
 20人の患者が登録され、10人ずつ各々の治療群に割り付けられた。患者は治療介入前に中央値で4回(range:2~16回)の再発を経験していた。1回のFMTによって下痢の軽快は14人(70%)で得られた(大腸内視鏡10人中8人、経鼻胃管10人中6人)。5人が再度FMT治療を受け、4人が軽快したため、全体としてFMTによる治癒率は90%となった。排便回数も治療前は中央値7回(IQR5~10)であったものが、治療後2回(IQR1~2)に減少した。また、自己申告健康スコアは有意に改善した。
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(文献より引用)

結論:
 凍結糞便を用いたFMTは再発性CDIに有効である。経鼻胃管からの投与は大腸内視鏡的投与と同等の効果が得られた。


by otowelt | 2014-05-27 00:26 | 感染症全般

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