敗血症に対する輸液蘇生は初期3時間で高率に点滴する方がよい

e0156318_22464538.jpg Mayoクリニックから、レトロスペクティブデザインですがEGDTの細かい時間配分についての報告です。

Sarah J. Lee, et al.
Increased fluid administration in the first three hours of sepsis resuscitation is associated with reduced mortality: a retrospective cohort study
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2702


背景:
 Surviving Sepsis guidelinesでは、敗血症発症から6時間以内の早期の輸液蘇生が推奨されている。確かに早期の輸液投与は利益をもたらすが、その蘇生タイミングについての研究は不足している。

仮説:
 早期の適切な輸液蘇生と敗血症発症後の患者アウトカムには関連性がある。

方法:
 これは2007年1月から2009年12月までにMayoクリニックICUに入室した重症敗血症/敗血症性ショックの連続成人患者に対して実施されたレトロスペクティブ試験である。敗血症の診断は2003 International Sepsis Definitions Consensus Conferenceに基づいた。感染症が疑われる患者で、輸液(20mL/kgボーラス)不応性の低血圧(収縮期血圧90mmHg未満)、乳酸値が4mmol/L超、血管作動薬の開始のいずれかを満たした時点を“Sepsis Onset Time”と設定した。敗血症性以外のショックが含まれる患者は除外した。
 データは電子診療データベースから抽出した。輸液蘇生は乳酸加リンゲル、生理食塩水、アルブミンを使用した。年齢、体重、SOFAスコア、APACHE IIIスコア、敗血症発症から6時間以内の総輸液量によって補正した多変量回帰モデルによって解析が行われた。

結果:
 651人のスクリーニング患者のうち、594人について輸液に関する詳細なデータが得られた。年齢中央値は70歳、54%が男性だった。コホート内では、452人が生存退院し、142人が死亡した。
 単変量解析において退院時生存していた患者の敗血症治療初期3時間以内の輸液量中央値は、死亡患者と比較して多かった(2085 mL [940-4080] vs. 1600 mL [600-3010], p=0.007)。後半3時間の輸液量については660 mL (290-1485) vs. 800 mL (360-1680)と統計学的な差は観察されなかった(p=0.09)。交絡因子で補正すると、総輸液量のうち初期3時間以内に投与された輸液の割合が高いと、院内死亡が低かった(オッズ比0.34、95%信頼区間0.15-0.75、p=0.008)。
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(文献より引用)

結論:
 早期の輸液蘇生(初期3時間以内)は重症敗血症/敗血症性ショックからの生存者の多さに関連していた。


by otowelt | 2014-06-09 00:53 | 集中治療

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