COPDと気管支喘息のオーバーラップ症候群の臨床的および遺伝子的特徴
2014年 06月 16日
CPFEと同様に、呼吸器疾患のオーバーラップ症候群を一概念として提唱する案については考えるところがあるのでノーコメントです。
Megan Hardin, et al.
The clinical and genetic features of COPD-asthma overlap syndrome
ERJ May 29, 2014 erj02160-2013
背景:
COPDと気管支喘息の合併は重要だがこれまでの報告ではあまり特徴づけられていない。また、COPDと気管支喘息のオーバーラップの遺伝子的な決定因子は調べられていない。このスタディの目的は、COPDと気管支喘息のオーバーラップにおける臨床的特徴と遺伝子的リスクを同定することである。
方法:
このスタディの登録患者は、現喫煙あるいは既往喫煙の非ヒスパニック系白人あるいはアフリカ系アメリカ人のCOPD患者である。オーバーラップ患者は主治医の診断による気管支喘息の既往が40歳以前にある者とした。我々は、COPD患者とオーバーラップ患者の間の臨床的および放射線学的特徴を比較した。また、非ヒスパニック系白人およびアフリカ系アメリカ人におけるゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、メタアナリシスにおいてこれらの結果を統合した。
結果:
女性およびアフリカ系アメリカ人は気管支喘息の既往歴が多かった。オーバーラップ患者はCOPD患者と比較して、より重症で、呼吸器系の増悪の頻度が多く、気腫が少なく、気道壁が厚かった。 (文献より引用)
(文献より引用)
非ヒスパニック系白人のGWASでは、CSMD1(rs11779254, p=1.57×10-6) およびSOX5 (rs59569785,p=1.61×10-6)の一塩基多型がみられ、メタアナリシスではGPR65 (rs6574978, p=1.18×10-7)の一塩基多型がCOPDと気管支喘息のオーバーラップ患者において同定された。
結論:
オーバーラップ患者はCOPD患者と比較して、より増悪を起こしやすく、気腫が少なく、呼吸機能障害を伴う気道疾患が多かった。COPDと気管支喘息のオーバーラップは重要な症候群であり、個別の臨床的マネジメントが必要かもしれない。
Megan Hardin, et al.
The clinical and genetic features of COPD-asthma overlap syndrome
ERJ May 29, 2014 erj02160-2013
背景:
COPDと気管支喘息の合併は重要だがこれまでの報告ではあまり特徴づけられていない。また、COPDと気管支喘息のオーバーラップの遺伝子的な決定因子は調べられていない。このスタディの目的は、COPDと気管支喘息のオーバーラップにおける臨床的特徴と遺伝子的リスクを同定することである。
方法:
このスタディの登録患者は、現喫煙あるいは既往喫煙の非ヒスパニック系白人あるいはアフリカ系アメリカ人のCOPD患者である。オーバーラップ患者は主治医の診断による気管支喘息の既往が40歳以前にある者とした。我々は、COPD患者とオーバーラップ患者の間の臨床的および放射線学的特徴を比較した。また、非ヒスパニック系白人およびアフリカ系アメリカ人におけるゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、メタアナリシスにおいてこれらの結果を統合した。
結果:
女性およびアフリカ系アメリカ人は気管支喘息の既往歴が多かった。オーバーラップ患者はCOPD患者と比較して、より重症で、呼吸器系の増悪の頻度が多く、気腫が少なく、気道壁が厚かった。
非ヒスパニック系白人のGWASでは、CSMD1(rs11779254, p=1.57×10-6) およびSOX5 (rs59569785,p=1.61×10-6)の一塩基多型がみられ、メタアナリシスではGPR65 (rs6574978, p=1.18×10-7)の一塩基多型がCOPDと気管支喘息のオーバーラップ患者において同定された。
結論:
オーバーラップ患者はCOPD患者と比較して、より増悪を起こしやすく、気腫が少なく、呼吸機能障害を伴う気道疾患が多かった。COPDと気管支喘息のオーバーラップは重要な症候群であり、個別の臨床的マネジメントが必要かもしれない。
by otowelt
| 2014-06-16 00:38
| 気管支喘息・COPD