高齢の肺炎患者においてアジスロマイシンを含む抗菌薬治療は90日死亡率を減少

e0156318_1292947.jpg 入院患者さんにおけるアジスロマイシンの点滴は、日本の場合溶媒の輸液量が少しネックになっています。

Eric M. Mortensen, et al.
Association of Azithromycin With Mortality and Cardiovascular Events Among Older Patients Hospitalized With Pneumonia
JAMA. 2014;311(21):2199-2208. doi:10.1001/jama.2014.4304


背景:
 入院を要する肺炎患者では、ガイドラインにおいてアジスロマイシンを含むマクロライド系抗菌薬の併用が推奨されているが、近年の研究によってアジスロマイシンが心血管系のイベントを増加させるのではないかという懸念が浮上している。

目的:
 肺炎で入院した患者において、アジスロマイシンの使用と全死因死亡率および心血管系イベントの関連を調べること。

デザイン・方法:
 肺炎で入院した高齢患者におけるレトロスペクティブコホート研究。アジスロマイシンを処方された群とその他のガイドライン推奨治療を行われた群とを比較した。患者は65歳以上の入院を要する肺炎患者とし、抗菌薬の使用は当該ガイドラインに準ずるものとした。アウトカムは30日および90日時点での全死因死亡率、90日時点での不整脈、心不全、心筋梗塞、そのほか心血管系イベントの発生とした。傾向スコアでマッチングした患者に条件付きロジスティック回帰分析を行った。

結果:
 118病院から73690人の患者が登録された。アジスロマイシン処方を受けた既往がある31863人と同処方既往のないマッチ患者31863人が解析対象となった。2群において潜在的交絡因子に差はみられなかった。90日死亡率はアジスロマイシンを処方された患者で有意に低かった(17.4% vs 22.3%; オッズ比0.73; 95%信頼区間0.70-0.76)。しかしながら、心筋梗塞については有意に多かった(5.1% vs 4.4%; オッズ比1.17; 95% CI, 1.08-1.25)。他の心血管系イベント(43.0% vs 42.7%;オッズ比1.01; 95%信頼区間0.98-1.05), 不整脈(25.8% vs 26.0%; オッズ比0.99; 95%信頼区間 0.95-1.02), 心不全(26.3% vs 26.2%; オッズ比1.01; 95%信頼区間0.97-1.04)には統計学的な差は観察されなかった。
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(文献より引用)

結論:
 肺炎で入院した高齢患者に対するアジスロマイシンを含む抗菌薬治療は、他の抗菌薬治療と比較して90日死亡率が低かったが、心筋梗塞のリスクはやや上昇した。


by otowelt | 2014-06-12 11:37 | 感染症全般

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