何となく研修医に伝えたいこと その2:病棟ではあまりタメ口を使うべからず

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 年が近い仲良しの看護師さんだとついついタメ口になってしまうこともありますが、私は基本的には敬語を使って仕事をしています(たぶん・・・)。しかし、病棟でフランクに振る舞いたいがために、常時タメ口で病棟業務をしている若手医師も世の中には少なからずいるかもしれません。

 個人的には、年上のベテラン医師であればそこまで問題はないだろうと思っています。また、お年寄りの患者さんに対してフランクに接する場面もありますし、ラポールが構築されておれば問題ないと思います。ただ、そこそこの若手医師が年上の看護師さんにタメ口を使うのは、ちょっとよくないですよね。

 研修医が病棟デビューをした後、3ヶ月もすれば皆さん病棟に慣れてきます。すると、「自分は医師なんだ、自分は司令塔なんだ」と少しだけ勘違いしてしまう若手医師もわずかながらいます。

 確かに医師という職業は、指示を出して患者さんの治療にあたる司令塔に似た役割には違いないのですが、今の医療界は“patient-oriented”あるいは“patient-centered”、すなわち医療従事者のみんなが患者さんの方向を向いているという図式が当たり前ですし、私もそうあるべきだと思っています。ましてや医療従事者の職務には優劣も上下もありません。医師がたくさんいても、看護業務はできません。

 ちょっとした拍子にタメ口がこぼれるくらいならまだしも、普段からタメ口を使っていると、看護師さんからの評判がちょっぴり悪くなってしまう状況を研修医の頃にたびたび目にしたことがありました。

 「さっき入院してきた患者さん、採血とっといて。あー、あとさ、レントゲンもオーダーしたから、早めに撮ってもらって。

 と医師が言い残して病棟を去った後、残念そうな顔をする看護師さんを何度か見かけたことがあります。指示の内容自体は至極まっとうなのですが、年下の医師からこんな言葉で指示を出されると遺憾に思う看護師さんもいるのは確かです。

 普段からタメ口で仕事をしている医師は、病院という職場において周囲からどう見られているかなかなか自覚できません。一度よくない評判が立ってしまうと、思いもよらぬレッテルを貼られることもありますので、少なくとも若手医師の間は敬語をしっかりと使える方がよいと思います。

 これを書いている私も病棟でどんなことを言われているのか、知る由もありませんが・・・。

 Wikipediaによれば、以下のような記載があります。「タメ口は、相手に心理的にリラックスした態度を示すため、自身が相手を友愛の対象としてとらえ恐れていないことを示す効果がある。そのため、相手への友好の意思を表明する意図でも頻繁に使用される。ただし、これは、“支配権誇示のためのタメ口”と混同されやすいため、日本マジョリティー社会では、友好意思の表明でのタメ口は、社会的な年齢や性別や職位による差別・支配隷属関係のないだろう相手でない限り、危険性を強く伴う。」


<何となく研修医に伝えたいこと>
その1:夕方に指示を出すべからず
その2:病棟ではあまりタメ口は使うべからず
その3:患者さんの社会背景や退院後の生活を常に考えるべし
その4:1日2回は患者さんに会いに行くべし
その5:ポリファーマシーのクセをつけない
その6:研修医時代は早めに出勤した方がよい
その7:クリアカットになりすぎない
その8:「●●も否定できない」は肯定の理由にはならない


by otowelt | 2014-06-21 00:05 | コラム:研修医に伝えたいこと

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