HeartBEAT試験:閉塞性睡眠時無呼吸に対するCPAPは血圧を低下させるが、酸素補給のみでは低下しない

e0156318_2225486.jpg CPAPと同等の効果を有する侵襲性が低く簡単な治療法が、いつか開発されればいいのになあといつも思っています。

Daniel J. Gottlieb, et al.
CPAP versus Oxygen in Obstructive Sleep Apnea
N Engl J Med 2014; 370:2276-2285


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、高血圧、炎症、心血管疾患リスク上昇と関連することが知られている。持続陽圧呼吸(CPAP)によって血圧を低下させることができるが、アドヒランスが不十分であることが多いため、従来提唱されているリスク因子の管理による利益を上回ることができるかどうかはよくわかっていない。間欠的低酸素血症がOSAに続発する心血管疾患のベースに存在する可能性があるため、夜間の酸素補給と CPAPが心血管疾患のリスクマーカーに与える影響を評価した。

方法:
 ランダム化対照試験において、心血管疾患または複数の心血管疾患のリスク因子を有する患者を登録。ベルリン質問票を用いてOSAスクリーニングを行い、診断確定のために在宅睡眠検査を行った。無呼吸低呼吸指数(AHI)が15~50回/時間であった患者を、睡眠および健全な生活習慣の教育を行う群(コントロール群)と、当該教育に加えCPAPを導入する群、夜間の酸素補給を行う群にランダムに割り付けた。ベースラインおよび12週間の試験完遂後に心血管疾患リスクを評価した。プライマリアウトカム24時間平均動脈圧とした。

結果:
 ランダム化された318人のうち、ベースラインと追跡調査の両方で自由行動下血圧を測定することができたのは281人(88%)だった。12週時点でのCPAP群の24時間平均動脈圧はコントロール群よりも低く(-2.4 mmHg、95%信頼区間-4.7~-0.1、P=0.04)、また酸素群よりも低かった(-2.8 mmHg、95%信頼区間-5.1~-0.5、P=0.02)。コントロール群と酸素群との間には24時間平均動脈圧に差は観察されなかった。missing dataがあり感度分析を行ったが、解析結果に変化はなかった。

結論:
 心血管疾患または複数の心血管疾患のリスク因子を有する患者において、OSAに対するCPAP療法は血圧を有意に低下させた。しかし、夜間の酸素補給ではこうした低下は観察されなかった。


by otowelt | 2014-06-19 00:49 | 呼吸器その他

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