ザフィルルカストは気管支喘息発作に予防的に作用するか?

e0156318_2326359.jpg ザフィルルカスト(アコレート®)は、FDAに最初に承認された経口ロイコトリエン拮抗薬です。日本ではオノン®やシングレア®の登場により、影をひそめてしまったように感じます。
Kelloway JS. Zafirlukast: the first leukotriene-receptor antagonist approved for the treatment of asthma. Ann Pharmacother. 1997 Sep;31(9):1012-21.

 “ヶ月”単位の短期間に限れば、吸入ステロイド薬に匹敵するほどのパワーを持つのではないかとされているロイコトリエン拮抗薬ですが、現時点では吸入ステロイド薬なしでコントロールすることはリスクが高いと考えますので、使用できるとすればやはり「上乗せ治療」の選択肢としてでしょう。
Price D, et al. Leukotriene antagonists as first-line or add-on asthma-controller therapy. N Engl J Med. 2011 May 5;364(18):1695-707.

Chen CF, et al.
Does zafirlukast reduce future risk of asthma exacerbations in adults? Systematic review and meta-analysis.
Multidiscip Respir Med. 2014 May 28;9(1):30.


背景および目的:
 気管支喘息のマネジメントの目的は、現在のコントロールだけでなく将来のリスクを含めトータルで気管支喘息のコントロールを達成するためである。ザフィルルカストは気管支喘息の急性増悪のリスクを軽減させる効果が証明されているが、気管支喘息の増悪の重症度もまちまちの研究が多く、システマティックに検証されたことはない。

方法:
 ザフィルルカストが成人の気管支喘息の増悪を予防するかどうかを検証したランダム化比較試験を、PubMed Central, Web of Science, Embaseかた抽出した。プライマリアウトカムは気管支喘息発作とし、セカンダリアウトカムは全身性ステロイド投与および救急受診を要する発作とした。

結果:
 12の研究が同定された。プラセボと比較して、慢性気管支喘息患者に対するザフィルルカストは統計学的に有意に気管支喘息発作のリスクを減少させた(オッズ比 0.68, 95%信頼区間0.45~1.00)が、全身性ステロイド投与を要する発作に対しては統計学的には有意な効果は観察されなかった(オッズ比 0.76, 95% 信頼区間0.45~1.29)。ザフィルルカストは吸入ステロイド薬よりも効果は劣っていた(発作:オッズ比2.11, 95%信頼区間1.35~3.30、全身性ステロイド投与を要する発作:オッズ比3.71, 95%信頼区間1.82~7.59)。上乗せ効果について、ザフィルルカストはプラセボに勝る効果はみられなかった(発作:オッズ比0.99, 95%信頼区間0.54~1.81、救急受診を要する発作0.72, 95%信頼区間0.18~2.99)。

結論:
 ザフィルルカストは軽度から中等度の気管支喘息発作のリスクを軽減するが、重度発作には効果がみられない。上乗せ効果についても気管支喘息発作のリスクを軽減することはできないが、サンプルサイズが小さいため今後の研究が望まれる。


by otowelt | 2014-06-27 00:13 | 気管支喘息・COPD

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