UIPパターンを伴うPPFEとIPFの比較

e0156318_051136.jpg 呼吸器内科医の方はPPFEのことはご存知と思いますが、CHESTに日本の報告が掲載されています。ATS/ERSのステートメントではPPFEの疾患概念を確立する上で参考となった過去の文献として、日本の文献(Kokyu 1992;11:693–699.)が記載されています。

Oda T, et al.
Characteristics of pleuroparenchymal fibroelastosis with usual interstitial pneumonia compared to idiopathic pulmonary fibrosis
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2866


背景:
 Pleuroparenchymal fibroelastosis (PPFE)は間質性肺炎のまれな病型であり、ときに組織学的にUIPパターンを伴う。この研究の目的は、UIPを伴ったPPFEの特徴をを特発性肺線維症(IPF)と比較することである。

方法:
 われわれは連続した110人のIPF患者(外科的肺生検でUIPパターン)の診療録をレトロスペクティブに検証した。胸部HRCTおよび組織学的にPPFEの診断基準を満たした患者を本研究に登録した。

<PPFEの放射線学的診断基準>
1. Definite PPFE
 上葉優位の胸膜直下の線維化を伴う胸膜肥厚があり、下葉には病変が乏しいか存在しない。
2. Consistent with PPFE
 胸膜直下の線維化を伴う上葉の胸膜肥厚があるが、(a)これらの変化は上葉に有意ではない あるいは (b)そのほかの部位に共存する(PPFE以外の)疾患の特徴を有する。
3. Inconsistent with PPFE
 上記に挙げる特徴を欠くもの。

<PPFEの組織学的診断基準>
1. Definite PPFE
 上葉の胸膜線維化があり、胸膜直下の肺胞内に線維化が観察され、胞隔elastosisを伴う症例。
2. Consistent with PPFE
 肺胞内線維化があるが、(a)それに伴う有意な胸膜線維化がない あるいは(b)胸膜直下に有意ではない あるいは(c)上葉の生検組織内に観察されない。
3. Inconsistent with PPFE
 上記に挙げる特徴を欠くもの。

 これらの診断基準に照らし合わせ、1. Definite PPFEおよび2. Consistent with PPFEの患者を組み込んだ。観察者間で意見が分かれた場合、討議の結果統一をはかった。胸部HRCTは外科的肺生検の2か月以内に実施することとした。

結果:
 放射線学的PPFEの診断基準を満たした11人のうち9人が組織学的にUIPパターンを伴うPPFEであった。
 IPF患者99人と比較すると、UIPパターンを伴うPPFEの患者は有意に残気量が高く(1.8 vs 1.3 L; P < 0.01), PaCO2が高く(44.6 vs 41.7 mm Hg; P = 0.04), 気胸/縦隔気腫の合併頻度が高かった(6/9 vs 23/99, p=0.01)。また、UIPパターンを伴うPPFE患者はBMIがIPF患者よりも有意に低かった(18.6 ± 1.8 vs 25.1 ± 3.6, p< 0.01)。年齢、性差、呼吸器症状、急性増悪の頻度には差はなかった。
 胸部CTにおける胸郭前後径はUIPパターンを伴うPPFE患者で有意に少なかった(13.2 ± 1.4cm vs 14.7 ± 1.2cm, p< 0.01)。
 血清KL-6は、UIPパターンを伴うPPFE患者では有意に低かった(600 ± 340IU/mL vs 1213 ± 784IU/mL, p< 0.01)。SP-Dには差はみられなかった。
 UIPパターンを伴うPPFE患者では、生存期間が短い傾向がみられた(p=0.13)。生存期間中央値はPPFE患者で31.5ヶ月、IPF患者で82.1ヶ月であった。

結論:
 UIPパターンを伴うPPFEは、IPF/UIPとは異なる疾患概念の一表現型と考えられる。


by otowelt | 2014-07-01 00:01 | びまん性肺疾患

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