メタアナリシス:人工呼吸器装着患者に対する気管切開は早期に実施した方が死亡リスクが少ない

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Ilias I Siempos, et al.
Effect of early versus late or no tracheostomy on mortality of critically ill patients receiving mechanical ventilation: a systematic review and meta-analysis
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 27 June 2014, doi:10.1016/S2213-2600(14)70125-0


背景:
 重症患者への挿管からおよそ2週間後には気管切開を行っておく方がよいとされており、これは大規模試験の結果から支持されていることである。われわれは、人工呼吸器管理を要する重症患者において、早期に気管切開を行う場合と晩期の気管切開ないし気管切開を行わない場合の死亡率について比較した。

方法:
 PubMedなどのデータベースからシステマティックに早期の気管切開(挿管後1週間以内)と晩期(同1週間以降)ないし気管切開を施行しない場合を比較したランダム化比較試験を抽出した。プライマリアウトカムはICU入室中の総死亡率、人工呼吸器関連肺炎の発生とした。

結果:
 13試験が解析された(2434人患者を登録、合計800人死亡)。その結果、早期に気管切開を施行された患者は有意に死亡率が低かった(オッズ比0.72, 95%信頼区間0.53—0.98; p=0.04)。18%のリスク減少でが、これはいうなれば生存率の絶対値を5%改善させる効果を持つ(65%→70%)。バイアスリスクが低い研究のみを採用しても、この結果は変わらかった(663人死亡:オッズ比0.68, 95%信頼区間0.49—0.95; p=0.02)。1年死亡率には差はみられなかった(788人死亡;リスク比0.93, 95%信頼区間0.85—1.02; p=0.14; 3試験1529人登録)。

結論:
 晩期の気管切開ないし気管切開の非実施と比較して、早期の気管切開はICUの人工呼吸器装着患者の死亡リスクの軽減と関連していた。そのため現在通常おこなわれている1週間を超えての気管切開の実施には疑問が呈されるかもしれない。しかしながら、長期死亡のベネフィットが不足していることと気管切開による合併症の存在については慎重になるべきであろう。


by otowelt | 2014-07-03 00:37 | 集中治療

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