オピオイド使用癌患者に対するメチルプレドニゾロンは疲労感や食欲不振を改善

e0156318_22555826.jpg すでに外来患者さんに対するステロイドの効果は過去の研究で報告されています。その研究ではデキサメタゾン4mg1日2回が使用されていました(J Clin Oncol 31:3076-3082, 2013)。

Ørnulf Paulsen, et al.
Efficacy of Methylprednisolone on Pain, Fatigue, and Appetite Loss in Patients With Advanced Cancer Using Opioids: A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind Trial
JCO published online on July 7, 2014; DOI:10.1200/JCO.2013.54.3926


目的:
 ステロイドは癌性疼痛のマネジメントに用いられているがエビデンスは限られている。このスタディでは、プラセボと比較したステロイドの鎮痛効果について検証する。

患者および方法:
 オピオイドを使用している成人の患者で直近24時間以内の癌性疼痛がNRS4以上であるものを登録した。すでにステロイドを使用している患者や、放射線治療・抗癌剤治療の影響があると考えられる症例は除外している。患者はランダムにメチルプレドニゾロン16m1日2回あるいはプラセボを7日間投与された。
 プライマリアウトカムは7日目時点での平均疼痛強度(NRSで判定)、セカンダリアウトカムは鎮痛薬の消費(経口モルヒネ相当量で比較)、疲労および食欲不振に対する効果、患者満足度とした。
 この研究ではサンプルサイズが双方22ずつで、投与7日目のNRSに1.5の差が出ることを想定。ITT解析。

結果:
 合計592人の患者がスクリーニングされ、50人に患者がランダム化された。47人が解析対照となった。
 7日目の評価において、癌性疼痛には両群ともに差はみられなかった(メチルプレドニゾロン群:3.60 vs プラセボ群:3.68; P = .88)。また、相対的な鎮痛薬の消費量にも差はなかった(P = .95)。臨床的および統計学的な疲労感の改善(−17 v 3 points; P .003)、食欲不振の改善(−24 v 2 points; P = .003),患者満足度(5.4 v 2.0 points; P = .001)はメチルプレドニゾロン群で有意に良好であった。
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(文献より引用)

結論:
 オピオイドを使用している癌患者におけるメチルプレドニゾロン32mg/日はプラセボと比較して鎮痛効果を追加的に改善させることはなかったが、疲労感や食欲不振、患者満足度に対して有効であった。

ディスカッション/Limitations:
・サンプルサイズが小さく、95%信頼区間の幅が大きい
・サブグループ解析を行うにしてもやはりサンプルサイズが小さい
・ステロイドが鎮痛効果を有していないと結論づけるには早計かもしれない、たとえば浮腫性の疼痛などにはそのメカニズムから有効と考えられる症例もあるだろう


by otowelt | 2014-07-23 00:36 | 肺癌・その他腫瘍

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