特発性肺線維症に対する胎盤由来間葉系幹細胞の投与の安全性について

e0156318_22194053.jpg IPFに対する将来的な治療法の開拓に向けた希望の報告のようです。

DANIEL C. CHAMBERS, et al.
A phase 1b study of placenta-derived mesenchymal stromal cells
in patients with idiopathic pulmonary fibrosis
Respirology (2014) doi: 10.1111/resp.12343


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は上皮修復がうまくいかなかったことによる線維化を主体とした変性疾患である。間葉系幹細胞(MSC)は、骨髄において幹細胞ニッチを構成している主な因子であり、おそらくは肺を含めたほかの臓器にも関与しているとされている。MSCは上皮の修復を促進し炎症誘発性肺線維症モデルにおいて効果的であるとの前臨床研究があるが、ある環境下では線維化誘導因子であるともされている。

方法:
 単施設における非ランダム化比較第Ib試験において、中等症から重症のIPF(DLCO≧25%、FVC≧50%)の患者において胎盤由来MSCを1×106/kg(4人)あるいは1×106/kg(4人)を末梢静脈から投与し、6ヶ月後に呼吸機能、6分間歩行試験、胸部CTのフォローアップをおこなった。

結果:
 8人のIPF患者(4人が女性、年齢中央値63.5歳)が登録された。努力性肺活量中央値(予測値)は60%、DLCOは34.5%であった。胎盤由来MSCのいずれの用量も忍容性は高く、副反応は軽度であった。MSCの注射は15分後に一時的なSaO2低下と関連していたが、血行動態には影響を与えなかった。6ヶ月後の努力性肺活量、DLCO、6分間歩行距離、CT線維化スコアはベースラインと比較して変化はなかった。線維化を悪化させるというエビデンスは得られなかった。
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(文献より引用)

結論: 
 中等症から重症のIPF患者に対する経静脈的MSCの投与は問題なく、短期的な安全性プロファイルも良好であった。

by otowelt | 2014-07-25 00:43 | びまん性肺疾患

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