何となく研修医に伝えたいこと その6:研修医時代は早めに出勤した方がよい

e0156318_15305466.jpg 多くの病院が8時30分~9時くらいから業務開始になっていますので、研修医の出勤時間についても、規定ではそのくらいの時間で契約をしていることでしょう。ただ、労働基準うんぬんの法的な話は抜きにして、私の個人的な意見としては「研修医は早めに出勤した方がよい」と考えています。別に私は体育会系のノリでもないですし、研修医に夜遅くまで残って仕事しろなどとは毛頭思っていません。むしろすべての医療業務は効率化が重要だと私は考えています。そんな私がなぜ早めに出勤した方がよいなどと言うのか、その理由を書きます。

1.検査結果をみるときには回診が終わっていた方がよい
 1つ目の理由は病院の検査体制にあります。多くの病院では、検査結果は午前中に出ます。当院でもルーチンの胸部レントゲン写真や血液検査はだいたい10~11時までには結果が出ています。研修医の方々は、患者さんの検査結果を見た後にアセスメントを変更することが多いでしょう。特に受け持ち患者さんが多い場合、検査結果が出ている頃にはすでに患者さんの回診が終わっていることが望ましい。
 朝ゆっくりコーヒーを飲みながら定刻出勤するよりも、昼までに担当患者さんの状態を把握してランチタイムにコーヒーを飲む方がまだいい。私はそう考えます。

2.日中の不測の事態に備えるため
 「別に急ぎの患者さんでなければ、夕方までにアセスメントすればいいじゃないですか」
 なんて意見も出てくるかもしれませんが、研修医はその診療科にとって貴重な即戦力なのです。昼過ぎに緊急入院が入ってきて対応しなければならないことは往々にしてあるわけです。不測の事態に備えるためにも、午前中に効率的に仕事を済ませてしまう方が都合がよい。

3.指導医より後に患者さんの情報を得ると少し恥ずかしい
 このサブタイトルには少し語弊があるかもしれませんが、研修医の頃、私は指導医よりあとに出勤して恥ずかしい思いを何度かしたことがあります。
 現在、私は夕方以降に育児を頑張らなくてはいけないため、朝は規定の出勤時間よりも少しだけ早めに出勤しています。そのため、自分の研修医には「朝は僕よりも早く来なくていい」と言っています。以下は、そんな私のような例外的な指導医を除いた話です。
  指導医が定刻出勤するような場合、研修医は指導医よりも早く来た方がよいです。これはなぜかといいますと、指導医より先に担当患者さんの状態を把握するためです。たとえば、指導医が8時に出勤して、研修医が8時20分に出勤したとしましょう。研修医が病院に着くや否や、指導医から「○○さん、CO2ナルコーシスになっているから、NPPVをつけよう」と言われました。当の研修医は、まだ何も情報がありませんから、「え?」と戸惑うばかり。指導医はすでに8時に出勤したあと、病棟看護師さんから意識レベルが低下している情報を得て、血液ガス分析を終えたあとだったのです。「あーあ、もう少し早く来ておけばよかったなあ」と感じるこういった事例を経験したことがある研修医の方々は多いでしょう。
 早めに出勤して、指導医より先に患者さんの状態を把握しておくと、間違いなく指導医のウケはいいです。これは断言できます。ただし、所詮指導医におべっかを使っていることと変わりないことですし、契約上は出勤時刻が定められているのだから、頑として定刻出勤しますという研修医の方もいるかもしれません。それについては私は悪いとも感じませんし、個人の自由だと思います。
 

 というわけで、私は上記の点から、初期研修医の頃は少し早めに出勤した方がよいと考えています。ちなみに、私の元指導医には朝の5時出勤というスゴイ先生がいました。さすがにその時は指導医より早く出勤することはありませんでしたが・・・(患者さんも誰も起きていないでしょうし)。

<何となく研修医に伝えたいこと>
その1:夕方に指示を出すべからず
その2:病棟ではあまりタメ口は使うべからず
その3:患者さんの社会背景や退院後の生活を常に考えるべし
その4:1日2回は患者さんに会いに行くべし
その5:ポリファーマシーのクセをつけない
その6:研修医時代は早めに出勤した方がよい
その7:クリアカットになりすぎない
その8:「●●も否定できない」は肯定の理由にはならない


by otowelt | 2014-08-02 00:21 | コラム:研修医に伝えたいこと

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