咳嗽は集中力で左右される

e0156318_2184973.jpg 歳を重ねるごとにひしひしと感じますが、咳の診療は奥深いです。

Thomas Janssens, et al.
Attentional Modulation of Reflex Cough
Chest. 2014;146(1):135-141.


目的:
 咳嗽反射は、気道の化学的および機械的刺激による脳幹の反応を介した防御機構である。しかしながら、咳嗽反射が中枢神経制御プロセスによって影響を受けるのかどうかは議論の余地がある。この研究では、咳嗽反射が外的刺激や内的刺激に集中することで調節されうるのかどうか検証した。

方法:
 健康なボランティア(合計24人、7人が男性、18歳~25歳)が4濃度のクエン酸(30、100、300、1000mM)によって咳嗽を誘発させられた。連続した2テストで外的な集中(高い音階の数を数える)をおこない、別の連続した2テストでは内的な集中(自分の咳を数える[音階は無視するよう指示])をおこなった。この順番は個々にバランスをとった。1濃度あたり4テスト(内×2、外×2)、1人あたり合計16テスト実施した。
 個々で咳衝動(the urge to cough)の回数が数えられた。また、咳嗽の頻度は録音によって客観的に評価された。

結果:
 咳嗽の頻度は、内的な集中によって有意に多くみられた[F(1,23) =13.31; P= .001;η2p=0.37]。ただ、この効果は1つ目のブロックセッションのみに限られた。
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(文献より引用)

 同様に、咳衝動も内的な集中によって多く観察されたが、2ブロックセッション目ではこの効果は消えた。
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(文献より引用)

結論:
 咳嗽反射は集中することで調整されうる。内的な集中(咳嗽の数を数えるなど)は過剰な咳嗽を引き起こすが、一方で外的な集中は過剰な咳嗽に対する部分的治療として期待されるかもしれない。


by otowelt | 2014-07-24 00:39 | 呼吸器その他

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