担癌の重症患者の感染症ではCRPよりもプロアドレノメデュリンやプロカルシトニンの方が有用

e0156318_22555653.jpg 癌患者さんではCRPやD-ダイマーは上昇していることが多く、想定よりも役に立たないことが多いと言われています。近い将来、プロアドレノメデュリンが日常的に測定されるバイオマーカーになる日がくるかもしれませんね。

Debiane, Labib, et al.
The Utility of Proadrenomedullin and Procalcitonin in Comparison to C-Reactive Protein as Predictors of Sepsis and Bloodstream Infections in Critically Ill Patients With Cancer.
Critical Care Medicine: Post Author Corrections: July 31, 2014


目的:
 われわれは、発熱のある担癌の重症患者においてプロアドレノメデュリンとプロカルシトニンの診断的・予後予測バイオマーカーとしての有用性を調べ、CRPと比較した。

方法:
 単施設プロスペクティブコホート研究。114人の発熱のある担癌患者の重症患者を本研究に登録した。発熱のあった日と4-7日後に血液検査を行い、プロアドレノメデュリン、プロカルシトニン、CRPが測定された。

結果:
 114人の患者のうち、27人が血流感染、36人が局所感染を発症した。残りの患者は感染症は同定されなかった。
 血流感染症の診断に対して、CRPと比較してプロアドレノメデュリン(0.70; 95%信頼区間 0.59-0.82)、プロカルシトニン(0.71; 95%信頼区間 0.60-0.83)のROC曲線下面積は有意に大きかった(それぞれp = 0.021、p = 0.003)。
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(文献より引用:血流感染症の診断・・・離れている2つがプロアドレノメデュリンとプロカルシトニン)

 ROC解析では、発熱発症から2か月以内の患者の死亡を予測する上でプロアドレノメデュリン(p = 0.005)およびプロカルシトニン(p = 0.009)はやはりCRPよりもパフォーマンスが良好であった。抗菌薬治療に反応性のあった患者ではこれらバイオマーカーはすべて値が減少したものの、不応性の患者ではプロアドレノメデュリン値が有意に上昇していた(p < 0.0001)。感染症のあった患者において、抗菌薬反応性を予測する上でプロアドレノメデュリン(0.81; 95%信頼区間0.71-0.92)とプロカルシトニン(0.73; 95%信頼区間0.60-0.85)はいずれもCRP(0.59; 95%信頼区間0.45-0.73)よりもAUCが大きかった(それぞれp = 0.004、p = 0.043)。しかしながらすべての有熱性の患者において、良好な治療反応性を予測する上で、プロアドレノメデュリンは有意にプロカルシトニンよりもAUCが大きかった(p < 0.0001)。

結論:
 担癌の重症患者において、プロアドレノメデュリンおよびプロカルシトニンは両方ともCRPと比較して血流感染を予測する上で有用と考えられる。これら2つのバイオマーカーは、感染症のあった患者において抗菌薬反応性の予後予測解析においてCRPよりも優れていた。しかしながら、すべての有熱性の患者において治療反応性を予測する上でプロアドレノメデュリンはプロカルシトニンよりも優れており、不応性の患者では有意に上昇していた。


by otowelt | 2014-09-04 00:45 | 集中治療

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