バンコマイシンは腎毒性軽減のためには持続点滴がよい?

e0156318_2340245.jpg limitationにも述べられていますが、レトロスペクティブかつ単施設研究です。本研究のコホートでは、持続投与が全体の半数にものぼります。

Hanrahan, Timothy P, et al.
Vancomycin-Associated Nephrotoxicity in the Critically Ill: A Retrospective Multivariate Regression Analysis.
Critical Care Medicine: July 31, 2014


目的:
 重症患者の急性腎傷害(AKI)の発生に関して、バンコマイシンの用量、トラフ濃度、投与設計の影響を調べること。

方法:
 レトロスペクティブ単施設観察研究。本研究はイギリスバーミンガムの大学病院で実施された。登録患者は2004年12月1日から2009年8月31日までの間にバンコマイシンを投与されたすべての重症患者とした。新規の腎毒性の発症はRIFLE分類を用いて報告され、腎毒性の独立予測因子はロジスティック回帰分析を用いて同定された。

結果:
 すべてのデータが有用だったのは1430人の患者であった。併用された血管作動薬(オッズ比1.633; p < 0.001), 血清バンコマイシン中央値(オッズ比1.112; p < 0.001), 治療期間(オッズ比1.041; p <= 0.001)は腎毒性を有意に予測した。間欠的な点滴は、持続点滴よりも腎毒性のリスクが高かった(オッズ比8.204; p <= 0.001)。
 持続点滴は1日量で中央値1.7gで、間欠的点滴と比較して有意に多かった(vs 1.5g/日、p=0.003)。また持続点滴の場合、バンコマイシンの血中濃度中央値は18.4 mg/Lであった。

結論:
 バンコマイシンの血中濃度高値と長期治療は独立して腎毒性のオッズ比を上昇させた。さらに、持続点滴は間欠的な点滴と比較して腎毒性のリスクを減少させる可能性がある。この研究では、バンコマイシンは重症患者において持続的な点滴を支持する。


by otowelt | 2014-08-14 00:07 | 集中治療

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