硫化水素の喀痰/血清比はCOPD急性増悪の有用なバイオマーカー

e0156318_17261195.jpg 気道平滑筋から硫化水素が産生されていることを初めて知りました。うーむ、勉強不足。

Saito J, et al.
Sputum-to-serum hydrogen sulfide ratio in COPD
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-204868


目的:
 硫化水素(H2S)は、平滑筋細胞を含む呼吸器系の細胞から産生される気体であり、ガス伝達物質としての役割を有するとされている。われわれは、血清あるいは喀痰のH2S値がCOPD患者における新規バイオマーカーとして有用かどうか調べた。

方法:
 64人の安定したCOPD患者、29人のCOPD急性増悪の患者、13人の健康な喫煙者、21人の健康な非喫煙者において、喀痰および血清のH2S値が硫化物感受性電極を用いて採取された。

結果:
 COPD急性増悪の患者における喀痰中H2Sは、安定したCOPD患者や健康な人よりも有意に高かった(p<0.001)。しかし、血清H2S値は、COPD急性増悪の患者において安定したCOPD患者よりも有意に低かった(p<0.001)。ゆえに、H2Sの喀痰/血清比は、COPD急性増悪の患者で有意に高かった(p<0.001)。
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(文献より引用)

 急性増悪中とその後にH2S比が測定された14人のCOPD患者において、急性増悪中の方が比の平均値が上昇していた(p<0.05)。H2S比は、SGRQスコア、喀痰中好中球、喀痰・血中IL-6、喀痰・血中IL-8と相関していた(p<0.01)。しかし、喀痰中マクロファージ(%)、1秒量(%予測値)、1秒率とは逆相関していた(p<0.01)。
 急性増悪を診断する上でのH2S比のカットオフ値は0.44以上が望ましいだろう (感度93.1%、特異度84.5%)。
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(文献より引用)

結論:
 H2Sの喀痰/血清比は、COPD患者において好中球性炎症や急性増悪を示唆する有用なバイオマーカーになるかもしれない。


by otowelt | 2014-09-09 00:06 | 気管支喘息・COPD

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