何となく研修医に伝えたいこと その9:処方する前に必ず添付文書をチェックするべし

e0156318_1921632.jpg 研修医の頃、安易に処方しようとした薬剤が自分の患者さんに禁忌だったことを知りヒヤリとした経験があります。研修医の方々は、もちろん指導医の管理下で処方をするわけですが、指導医に「あの患者さんに●●を処方しておいて」と言われてイエスマンで処方している人もいるかもしれません。いやいや、ちょっと待った。

 これも私の元指導医の受け売りですが、研修医の頃は処方する前に必ず添付文書をチェックして下さい。自分の患者さんに禁忌でないかどうか、使用している薬剤と相互作用はないのか、などバカになったつもりで毎回チェックして下さい。そうしないと、“薬剤を処方する”という行為がどれほど重要なことなのか、日々の業務の中で感覚が麻痺してしまうのです。

 私は呼吸器感染症の診療をしておりますが、特にリファンピシンやボリコナゾールといった特殊な薬剤では相互作用や禁忌を毎回チェックするクセを忘れていません。頭では覚えていても、体は添付文書をチェックするように仕込んでいるのです。物覚えが悪い医師だと思われるかもしれませんが、万が一の事態(禁忌処方)を想定するのであれば、保身のためにも添付文書のチェックは欠かせません。もちろん、添付文書以外にも注意しなければならないことはたくさんあるわけですが、現在の法律では処方に関するミスを糾弾する場合、添付文書の記載が優先されます。

 ただし世の中には例外もあり、添付文書に禁忌と記載されてあっても投与すべきであったとする判例も存在します。明らかに禁忌と思われる処方については、必ず指導医に確認を取るようにして下さい。

<何となく研修医に伝えたいこと>
その1:夕方に指示を出すべからず
その2:病棟ではあまりタメ口は使うべからず
その3:患者さんの社会背景や退院後の生活を常に考えるべし
その4:1日2回は患者さんに会いに行くべし
その5:ポリファーマシーのクセをつけない
その6:研修医時代は早めに出勤した方がよい
その7:クリアカットになりすぎない
その8:「●●も否定できない」は肯定の理由にはならない


by otowelt | 2014-09-13 00:59 | コラム:研修医に伝えたいこと

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