多剤耐性結核に対するべダキリンの有効性

e0156318_233338.jpg 多剤耐性結核の頻度が多い地域では、治療開発は急務です。

Andreas H. Diacon, et al.
Multidrug-Resistant Tuberculosis and Culture Conversion with Bedaquiline
N Engl J Med 2014; 371:723-732


背景:
 結核菌のATP合成酵素(ATP synthase)を阻害するジアリルキノリンであるベダキリン(bedaquiline)(Sirturo、TMC207)は、多剤耐性結核患者に推奨されている基本的なレジメンに8週間併用したときに、喀痰培養の陰性化までの期間が短縮するとされている。

方法:
 この2b相試験において、新たに多剤耐性結核と診断された喀痰塗抹陽性患者160人をベダキリン400mg1日1回2週間投与したあとに200mg週3回22週間投与する群と、プラセボを投与する群にランダムに割り付けた。両治療群は推奨されている基本レジメンに併用する形とした。プライマリ効果エンドポイントは液体培地の喀痰培養陰性化までの期間とした。フォローアップ期間は120週間。

結果:
 ベダキリンの使用によって喀痰培養陰性化までの期間の中央値は、プラセボの中央値125日と比較して 83日と短かかった(ベダキリン群のハザード比2.44、95%信頼区間1.57~3.80、P<0.001)。また、24週時点での喀痰培養陰性化率(79% vs 58%、P=0.008)、120週時点での喀痰培養陰性化率(62% vs 44%、P=0.04)もプラセボを上回った。WHOの多剤耐性結核の転帰の定義によれば、120週時点の治癒率はベダキリン群58%、プラセボ群32%だった(P=0.003)。有害事象については両群で同程度だった。死亡例はベダキリン群のほうがプラセボ群よりも多かったが、因果関係はないと考えられた。

結論:
 多剤耐性結核の24週間の推奨レジメンにベダキリンを追加することにより、喀痰培養陰性化が短縮し、120週時点の喀痰培養陰性化率がプラセボ群と比べて有意に上昇した。


by otowelt | 2014-09-05 00:25 | 抗酸菌感染症

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