Streptococcal Toxic Shock Syndromeに対する免疫グロブリン大量療法とクリンダマイシンは予後を改善

e0156318_23184679.jpg 当たり前ですが、IVIGの量は日本よりもかなり多いです。

Anna Linnér, et al.
Clinical Efficacy of Polyspecific Intravenous Immunoglobulin Therapy in Patients With Streptococcal Toxic Shock Syndrome: A Comparative Observational Study
Clin Infect Dis. (2014) 59 (6): 851-857. doi: 10.1093/cid/ciu449


背景:
 Streptococcal toxic shock syndrome (STSS)および壊死性筋膜炎はA群溶連菌(GAS)による最重症型の感染症である。免疫グロブリン(IVIG)治療は死亡率に対して有益な付加的な治療とされてきた。しかしながら、臨床的エビデンスは限られている。われわれは、STSS患者における比較観察研究においてIVIG治療の有効性を調べた。

方法:
 2002年4月から2004年12月まで実施されたスウェーデンのサーベイランス研究において、GASによるSTSSに対するIVIGの効果をプロスペクティブに評価した。症状、疾患重症度、治療、アウトカムが67人の患者から抽出された。

結果:
 23人の患者がIVIG治療を受け、44人が受けなかった。合併症、疾患重症度、臓器不全、性別には差はみられなかったが、IVIG群の患者は非使用者と比べて年齢が若く壊死性筋膜炎の合併が多かった(56% vs 14%)。また手術を受けた患者やクリンダマイシン使用患者はIVIG群で多くみられた。
 28日時点での生存を予測する因子として、単変量解析ではSPAS II(オッズ比1.05)、クリンダマイシン使用(オッズ比7.5)、IVIG(オッズ比6.7)、外科手術(オッズ比4.4)が得られた。多変量解析では、SAPS II(オッズ比1.1)、クリンダマイシン使用(オッズ比8.6)、IVIG(オッズ比5.6)は有意な生存予測因子であった。
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(文献より引用)

 壊死性筋膜炎のない患者(48人)でも同様の解析をおこなったところ、クリンダマイシン使用は有意な生存予測因子であった。統計学的に有意ではないものの、IVIGも改善の傾向がみられた。

 IVIGによる恩恵は80歳未満の患者に有意にみられた(Post hoc)。
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(文献より引用)

結論:
 GASによるSTSSに対して、IVIGとクリンダマイシンの使用は良好な予後に関連していた。


by otowelt | 2014-08-30 00:41 | 感染症全般

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