COPDに対する三種併用吸入治療から吸入ステロイド薬をステップダウンできるか?

e0156318_22364285.jpg ICS+LABA+LAMAを使用しているCOPD患者さんは、私は自分の外来には1人もいません。トラフ1秒量が減少することを考えると、ICSも一定の効果を持っているのだろうと思います。
 ・・・風のウワサでは、とある会社で三種混合吸入薬を開発中とのことです。

Helgo Magnussen, et al.
Withdrawal of Inhaled Glucocorticoids and Exacerbations of COPD
NEJM September 8, 2104DOI: 10.1056/NEJMoa1407154


背景:
 吸入ステロイド薬と長時間作用型の気管支拡張薬を併用することは重症COPD患者で急性増悪を繰り返す場合に推奨されている。しかしながら、2種類の気管支拡張薬に吸入ステロイド薬を加えることの利益は不明である。

【方法:
 12ヶ月におよぶ二重盲検並行群間試験において、COPD急性増悪の既往がある2485人を登録した。登録患者は、6週間のrun-in period治療:三種併用治療(チオトロピウム18μg/日、サルメテロール50μg/日、フルチカゾンプロピオン酸500μg1日2回)をおこなわれた。患者はランダムに三種併用治療あるいはフルチカゾンのみを中止するかランダムに12週間割り付けられた。プライマリエンドポイントは中等症以上のCOPD急性増悪までの期間とした。呼吸機能検査、健康ステータス、呼吸困難感がモニタリングされた。

結果:
 吸入ステロイド薬を継続して使用した場合と比較して、中止した場合では事前に規定したプライマリエンドポイントの非劣性基準を満たした(ハザード比1.06、95%信頼区間0.94~1.19)。治療開始18週時点における、吸入ステロイド薬離脱後のベースラインからのトラフ1秒量の補正平均減少量は38mlであった(P<0.001)。52週目においても同様の結果であった(43ml, p=0.001)。
 呼吸困難感に差はみられず、健康ステータスもわずかな差のみであった。

結論:
 三種併用吸入治療をおこなっている重症COPD患者において、中等症以上のCOPD急性増悪は吸入ステロイドを中止しても、吸入ステロイドを継続しても同等と考えられる。しかし、吸入ステロイドの中止によってトラフ1秒量の減少が観察される。


by otowelt | 2014-09-10 00:56 | 気管支喘息・COPD

<< 人工呼吸器関連肺炎の診断におい... 硫化水素の喀痰/血清比はCOP... >>