結核性心膜炎に対するステロイドとM. indicus pranii免疫療法の有効性

e0156318_2061099.jpg いつかどこかで耳にしたことがあるような抗酸菌、Mycobacterium indicus pranii。この菌については知識ゼロで論文を読みました。複合アウトカムに関しては有効性は否定されていますが、ステロイドが心膜の炎症を軽減する効果はありそうです。

Bongani M. Mayosi, et al.
Prednisolone and Mycobacterium indicus pranii in Tuberculous Pericarditis
N Engl J Med 2014; 371:1121-1130


背景:
 抗結核治療をおこなったとしても、結核性心膜炎の死亡率は依然高い。本研究において、結核性心膜炎の患者に対する糖質コルチコイド補助療法とMycobacterium indicus pranii免疫療法の有効性を評価した。

方法:
 2×2要因試験デザインを用いて、結核性心膜炎の診断が確定あるいはほぼ確実である成人患者1400人を6週にわたるプレドニゾロンあるいはプラセボ、そして3ヶ月間に5回のM. indicus praniiあるいはプラセボ注射にランダムに割り付けた。参加者3分の2は、HIV混合感染を有していた。プライマリ効果アウトカムは死亡・心嚢穿刺を要する心タンポナーデ・収縮性心膜炎の複合とした。

結果:
 プライマリアウトカムについて、プレドニゾロン群とプラセボ群に差はみられなかった(23.8% vs. 24.5%、ハザード比0.95、95%信頼区間0.77~1.18、P=0.66)。M. indicus pranii免疫療法群とプラセボ群にも有意な差はなかった(25.0% vs. 24.3%、ハザード比1.03、95%信頼区間0.82~1.29、P=0.81)。
 プレドニゾロンはプラセボと比較して収縮性心膜炎の発生率を有意に低下させ(4.4% vs. 7.8%、ハザード比0.56、95%信頼区間0.36~0.87、P=0.009)、入院率も有意に低下させた(20.7% vs. 25.2%、ハザード比0.79、95%信頼区間0.63~0.99、P=0.04)。
 プレドニゾロンとM. indicus praniiのいずれもプラセボと比べてがんの発生率を有意に上昇させた(1.8% vs. 0.6%、ハザード比3.27、95%信頼区間1.07~10.03、P=0.03、1.8% vs. 0.5%、ハザード比3.69、95%信頼区間1.03~13.24、P=0.03)。ただし、これらはHIVに関連したがんの発生の増加と考えられる。

結論:
 結核性心膜炎の患者に対するプレドニゾロンとM. indicus pranii免疫療法のいずれも、死亡、心嚢穿刺を要する心タンポナーデ・収縮性心膜炎の複合アウトカムに対して有意な効果がみられなかった。


by otowelt | 2014-09-29 00:40 | 抗酸菌感染症

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