高齢COPD患者に対する新規LABA/ICS使用はLABA単独と比較して死亡・入院リスクを軽減

e0156318_946195.jpg LABA/ICSかICS/LABAかauthorによっていろいろなこだわりがありますが、個人的にはどっちでもいいです。
 COPDの重症度に基づいて前向きに検討されたものではありませんが、高齢者に対するLABA/ICSの知見に一石を投じる研究です。COPDと誤診されたケースも含まれていることをlimitationsとして挙げていますが、これもreal worldにありうることとして議論されています。 

Andrea S. Gershon,et. al.
Combination Long-Acting β-Agonists and Inhaled Corticosteroids Compared With Long-Acting β-Agonists Alone in Older Adults With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
JAMA. 2014;312(11):1114-1121. doi:10.1001/jama.2014.11432.


背景:
 COPDは世界的に第2位の死因となっている呼吸器疾患である。どの薬剤を処方するかを知ることは、COPD患者の健康アウトカムを改善させる上でもっとも有効である。

目的:
 長期的な医学的利益を調べるために、長時間作用型β刺激薬(LABA)と吸入ステロイド薬(ICS)の併用についてLABA単独と比較した。

方法:
 この研究は、カナダのオンタリオで2003年から2011年まで実施されたコホート研究である。COPDを有する66歳以上の患者が登録された。傾向スコアマッチングの後、8712人の新規LABA/ICS吸入薬使用者、3160人の新規LABA単独吸入薬使用者が同定された(フォローアップ中央値はそれぞれ2.7年、2.5年)。
 プライマリアウトカムは、死亡およびCOPDによる入院の複合アウトカムとした。ただし、下気道感染症に伴う入院例は除外した。セカンダリアウトカムは、肺炎による入院、骨粗鬆症が原因と考えられる骨折による入院とした。

結果:
 プライマリアウトカムはLABA/ICS使用者で5594人(3174人が死亡[36.4%]、2420人がCOPDにより入院[27.8%])、LABA単独使用者の2129人(1179人が死亡[37.3%]、950人がCOPDにより入院[30.1%])に観察された。LABA/ICSの新規使用は、LABA単独の新規使用と比較して死亡あるいはCOPDによる入院のリスクをわずかながら減少させた(5年時点での複合アウトカムの差:−3.7%; 95%信頼区間−5.7% to −1.7%; ハザード比0.92; 95%信頼区間0.88-0.96)。
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(文献より引用)

 気管支喘息を合併していると診断されたCOPD患者ではこの差は大きかった(同差−6.5%; 95%信頼区間−10.3% to −2.7%; ハザード比0.84; 95%信頼区間0.77-0.91)。また、吸入長時間作用型抗コリン薬(LAMA)の吸入を受けていない患者でもこの差は大きかった(同差−8.4%; 95%信頼区間−11.9% to −4.9%; ハザード比0.79; 95%信頼区間0.73-0.86)。呼吸機能検査を受けていない患者においても差は大きく検出された(ハザード比0.87; 95%信頼区間0.81-0.93)。
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(文献より引用)

 なお、セカンダリアウトカムについて差はみられなかった。

結論:
 高齢COPD患者において、特に気管支喘息合併例やLAMA非使用者では、新規のLABA/ICS使用は新規のLABA使用と比較して、死亡あるいはCOPDによる入院の複合アウトカムを改善させた。

by otowelt | 2014-09-19 00:55 | 気管支喘息・COPD

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