小細胞肺癌におけるRET遺伝子変異

e0156318_1540348.jpg RET発現がみられる小細胞肺癌に対してバンデタニブが有効かもしれませんね。

Dabir S, et al.
RET Mutation and Expression in Small-Cell Lung Cancer.
J Thorac Oncol. 2014 Sep;9(9):1316-23.


背景:
 小細胞肺癌の体細胞変異を発見するために研究機運が高まっているが、不運にも小細胞肺癌は手術例が少なく遺伝子検索をしにくいという障害がある。
 われわれは臨床病理データベースを用いて小細胞肺癌検体を検索し、癌遺伝子解析をおこなった。

方法:
 DNAは6腫瘍検体’(3つは原発、3つは転移)から抽出され、SEQUENOMプラットフォーム技術(OncoCarta)を用いて解析された。

結果:
 原発巣の切除検体は、全検体の3%未満しかなく、包括的遺伝子検索としては限定的な結果であった。活性型M918T RET変異が転移性小細胞肺癌の1検体から同定された。RET変異の同定のため、他の小細胞肺癌の研究から、バイオインフォマティクス研究を追加。2つの小細胞肺癌セルライン(H1048、SW1271)において、M918T変異と野生型RETの両方の発現が安定して観察された。特にRET変異によりERKシグナル活性化、MYC発現と細胞増殖がみられた。M918変異・野生型RETを発現している細胞では、RETチロシンキナーゼ阻害薬であるバンデタニブとポナチニブに感受性であった。小細胞肺癌は、RETの発現が腺癌より有意に強く観察された。
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(文献より引用:RETおよびp-Erk免疫染色)

結論:
 本研究により小細胞肺癌の一部はRETチロシンキナーゼ阻害薬により利益を受ける可能性がある。小細胞肺癌におけいてRETの新たな役割を示唆するものである。


by otowelt | 2014-10-06 00:04 | 肺癌・その他腫瘍

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