腎不全・免疫不全患者のクオンティフェロン

e0156318_2130255.jpg 結核病学会雑誌にあった、総会シンポジウムのまとめが面白いですね。その中から、腎不全・免疫不全患者におけるQFTの考察について、一部抜粋します。

猪狩英俊.
2. 血液透析,免疫低下患者に対するQFT 検査 (第88 回総会シンポジウム)
結核 第89 巻 第9 号 2014 年9 月


背景・方法:
 QFTの評価として,このシンポジウムでは次の2 点について検討した。第1 に,血液透析や免疫低下患者は結核発病リスクが高いといわれているが,これらの疾患を有する患者にはLTBI(QFT 陽性者)は多いのか。第2にこれらの疾患を有する患者を診断する性能として判定不可の割合は多いのか。対象は,慢性腎臓病患者(CKD),透析患者,腎移植前の患者(末期腎不全),腎移植後の患者,リウマチ患者である。比較対象として医療従事者をおいた。

結果・考察:
 CKD患者のQFT 陽性率は8 % で,透析患者のQFT 陽性率は2 % と低かった。多変量解析でも透析はQFT 陽性率を低くする要因であった。リウマチ(RA)患者のQFT 陽性率は11% であった。生物学的製剤開始前の患者のQFT 陽性率は15% と高く,生物学的製剤を開始した患者のQFT 陽性率8 % に比べて高かった。生物学的製剤やメソトレキセートなどの免疫抑制薬が影響している可能性が示された。
 CKD患者の判定不能は5 % で,医療従事者に比べて高かった。特に,腎移植後の患者では15% が判定不能であった。RA患者の判定不能は2 % であった。
 RA 患者のQFT 陽性率は医療従事者に比べて高い可能性がある。しかし,生物学的製剤導入後の人ではQFT陽性率が低くなっており,LTBI の診断が不十分になる可能性がある。多変量解析の結果からも生物学的製剤の使用,ステロイドの使用,メソトレキセートの使用などがQFT 陰性化の要因となった。CKD患者やRA患者では,治療介入がQFT結果に影響を及ぼし,陽性率を低くしている可能性が示された。


by otowelt | 2014-10-21 00:45 | 抗酸菌感染症

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