進行小児がんの親と医療従事者の間の予後・治療見通しは一致しない

e0156318_2144144.jpg 家族と医療従事者で予後見通しに差があるのは当然ですが、早期にそれを伝えて希望を奪うことと晩期まで伝えそびれてしまい最期に絶望を与えてしまうことの狭間で悩む医師は多いと思います。

Abby R. Rosenberg, et al.
Differences in Parent-Provider Concordance Regarding Prognosis and Goals of Care Among Children With Advanced Cancer
JCO Sep 20, 2014:3005-3011


目的:
 進行がんに罹患した小児の親と医療従事者の間における認識の一致について研究されたことはない。われわれは、予後やケアの目標における認識の一致性を親-医療従事者間で調べた。

患者および方法:
 3つの大規模な小児病院において再発性あるいは不応性のがんに罹患した小児の親104人を登録した。登録時に、親と医療従事者に対して、予後やケアの目標についてのサーベイランスを完遂してもらった。患者の生存ステータスについては診療録からレトロスペクティブに抽出した。認識の一致性については、予後認識の解離、κ統計量、マクネマー検定によってアセスメントした。
 本研究ではalign(予後と治療目標が一致しているかどうか)をアウトカムの1つとして検証している。alignは過去の研究で以下のように定義(JAMA Pediatr. 2013;167(6):537-543)。
 “Parents were asked to select only 1 goal. Prognostic understanding was considered aligned with a concrete goal if parents reported the child was likely to be cured and endorsed the goal of cure or if parents reported the child was unlikely to be cured and endorsed the goal of extending life or lessening suffering”
 つまり、予後不良-治療見込みなし、予後良好-治療見込みあり、という認識があればalignedである。

結果:
 データは77の夫婦から抽出された(登録者の74%)。予後およびケアの目標についての親-医療従事者間の一致は不良であった(κ:0.12-0.30)。親は、より“治療が可能”であると報告する傾向にあった(P < .001)。癌種別の主観的な治療可能性および治療目標は、親と医療従事者の双方で頻度に違いがあった(P < .001 to .004)。血液悪性腫瘍の患児の親と医療従事者において相対的に楽観的な反応がみられたが、生存に関して差はみられなかった。
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(文献より引用)

結論:
 進行性の小児がんの親-医療従事者間の予後や目標に対する一致性は概して低かった。予後やケアの目標の認識は癌種によって異なっていた。これらの違いを理解することは、患者-医療従事者のコミュニケーションと意思決定に有用かもしれない。


by otowelt | 2014-10-08 00:48 | 肺癌・その他腫瘍

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