モキシフロキサシンを含む結核治療レジメン、標準治療に非劣性示さず

e0156318_16322657.jpg アベロックス®は多剤耐性結核の治療の研究が多いように思いますが、今回は感受性結核の使用についての報告です。

多剤耐性結核に対するレボフロキサシンとモキシフロキサシンの培養陰性化率は同等

Stephen H. Gillespie, et al.
Four-Month Moxifloxacin-Based Regimens for Drug-Sensitive Tuberculosis
NEJM September 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1407426


背景:
 先行研究や臨床前研究において、合併症のない薬剤感受性の喀痰抗酸菌塗抹検査が陽性の肺結核患者(18歳以上)に対して、モキシフロキサシンを含む4ヶ月のレジメンの有効性が示唆されている。

方法:
 われわれは、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験を実施し、モキシフロキサシンを含むレジメン2種類についてコントロールレジメンに対する非劣性を評価した。
 コントロール群はイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールを8週間投与し、その後18週間イソニアジド、リファンピシンを投与した。介入群であるイソニアジド群は、コントロール群のエタンブトールの代わりにモキシフロキサシンを使用したレジメンを17週間投与し、その後プラセボを9週間投与した。もう1つの介入群であるエタンブトール群は、同様にコントロール群レジメンのイソニアジドをモキシフロキサシンに代えて17週間投与し、その後プラセボを9週間投与した(簡潔に書くと、2HREZ+4HRの6ヶ月レジメンを、2HRMZ+2HRMあるいは2REMZ+2REMの4ヶ月レジメンと比較した)。
 プライマリエンドポイントはランダム化から18ヶ月以内の治療失敗あるいは再発とした。

結果:
 1931人がランダム化された。909人が南アフリカ、376人がインド、212人がタンザニア、136人がケニア、119人がタイ、69人がマレーシア、66人がザンビア、22人が中国、22人がメキシコであった。
 per-protocol解析において、ランダム化された1931人の患者のうち、良好なアウトカムが報告されたのはイソニアジド群で85%、エタンブトール群で80%と、コントロール群の92%より低かった。コントロール群との差は、イソニアジド群が6.1ポイント(97.5%信頼区間1.7-10.5)、エタンブトール群が11.4ポイント(97.5%信頼区間6.7-16.1)だった。ITT解析、全感度解析でも結果は同様であった。
 コントロール群と比較した培養陰性までの期間に対するハザード比は、固形培地(Lowenstein–Jensen)と液体培地(MGIT)のいずれにおいても短縮していた。治療8週時点においてモキシフロキサシンの患者の方がより培養陰性化している頻度が多かったが、これについては統計学的に有意差はなかった。
 グレード3,4の有害事象の頻度には有意な差はみられなかった。

結論:
 モキシフロキサシンを含む2レジメン(INH、EBをそれぞれ変更)は、コントロール群と比較してより初期の結核菌量を減少させる。しかしながら、これらのレジメンの非劣性は示されておらず、4ヶ月の短期治療が効果的とは言えない。


by otowelt | 2014-09-27 00:39 | 抗酸菌感染症

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