進展型小細胞肺癌に対する化学療法奏効後の胸部放射線療法は有効

e0156318_12481476.jpg ご存知の方も多いと思いますが、小細胞肺癌に対する治療の革新的なスタディです。

Ben J Slotman, et al.
Use of thoracic radiotherapy for extensive stage small-cell
lung cancer: a phase 3 randomised controlled trial
The Lancet, Early Online Publication, 14 September 2014 doi:10.1016/S0140-6736(14)61085-0


背景:
 化学療法や予防的全脳照射(PCI)を施行された進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)の患者のほとんどは、胸腔内に難治性の病変を有したままである。われわれは、この患者群において胸部放射線療法をおこなうことの意義を検証した。

方法: 
 われわれは42の病院において第III相ランダム化比較試験を実施した(16:オランダ、22:イギリス、3:ノルウェー、1:ベルギー)。パフォーマンスステータス0~2のED-SCLC患者498人を対象に行われた。患者をランダムに2群に分け、一方には胸部放射線療法(分割照射30Gy/10回)を実施し、もう一方には虚部放射線療法を実施しなかった(コントロール群)。なお被験者全員に対して、予防的全脳照射を行った。
 プライマリエンドポイントは、1年生存率とした。セカンダリエンドポイントは、無増悪生存期間などを含めた。フォローアップ期間中央値は、24ヶ月だった。

結果:
 ITT解析に含まれたのは、胸部放射線療法群247人、コントロール群248人だった。
 結果、1年生存率は胸部放射線療法群が33%(95%信頼区間27~39%)、コントロール群が28%(95%信頼区間22~34%)と、両群で有意差はなかった(ハザード比0.84、95%信頼区間0.69~1.01、p=0.066)。しかしながら、2年生存率は、それぞれ13%(95%信頼区間9~19%)と3%(95%信頼区間2~8%)と、胸部放射線療法群で有意に高かった(p=0.004)。また病勢進行リスクも、コントロール群より胸部放射線療法群で有意に低下した(ハザード比0.73、95%信頼区間0.61~0.87、p=0.001)。6ヵ月の無増悪生存の達成については、胸部放射線療法群が24%(95%信頼区間19~30%)に対し、コントロール群は7%(95%信頼区間4~11%)だった(p=0.001)。
 安全性プロファイルは、重度の毒性は観察されなかった。
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(文献より引用:OSとPFS)

結論:
 化学療法に良好な反応を示したED-SCLCのすべての患者において、予防的全脳照射に加えて胸部放射線療法を追加すべきである。


by otowelt | 2014-10-07 00:31 | 肺癌・その他腫瘍

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