呼吸器感染症の流行地域では肺癌の診断にFDG-PET使用は不適切

e0156318_11464189.jpg PETの偽陽性はしばしば経験します。個人的な経験としては、感染症、じん肺、サルコイドーシスが多いですね。

Stephen A. Deppen, et al.
Accuracy of FDG-PET to Diagnose Lung Cancer in Areas With Infectious Lung Disease
A Meta-analysis
JAMA. 2014;312(12):1227-1236. doi:10.1001/jama.2014.11488


背景:
 FDG-PET検査は肺癌を疑う肺結節に対して推奨されている非侵襲的な診断法である。感染症流行地域の集団において、FDG-PETが悪性病変を正確に診断できない可能性がある。

目的:
 呼吸器感染症が流行していない地域と比較して、流行地域において肺癌を疑う肺結節に対するFDG-PETの診断精度を調べる。

方法:
 2000年10月1日~2014年4月28日にMEDLINE、EMBASE、Web of Scienceのデータベースから、FDG-PETによる肺癌の診断の感度・特異度について報告している論文を検索した。良性および悪性病変を有する患者が10人以上参加している試験のみを抽出。1923のうち257が適格基準を満たした。そのうち70の研究が解析に組み込まれた。全体で8511の結節、そのうち5105(60%)が悪性だった。
 2名のレビュワーが個別にレビューを行った。階層サマリーROC曲線を作成、ランダム効果ロジスティック回帰モデルを用いて、検査成績に対する呼吸器感染症流行地の影響を評価した。

主要評価項目:
 FDG-PETパフォーマンスの感度と特異度。

結果:
 感度(I2=87%)および特異度(I2=82%)について試験間の異質性が観察された。プール解析による感度(非補正)は89%(95%信頼区間86%-91%)、特異度は75% (95%信頼区間71%-79%)だった。
 特異度(補正後平均値)は、呼吸器感染症流行地と非流行地を比較した場合、流行地のほうが16ポイント低かった(それぞれ61%[95%信頼区間48-72%]、77%[95%信頼区間73-80%])。
 特異度は、厳格に行われた臨床試験、適切なコントロールを設定した比較試験で低かった。感度は流行地によって差がみられず、関連因子で補正した場合も変化はみられなかった。
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(文献より引用)

結論:
 肺結節に対して悪性腫瘍の診断目的で実施するFDG-PETの精度は、異質性が顕著であった。呼吸器感染症流行地域における悪性腫瘍の診断にCTとFDG-PETを組み合わせても特異度は低い。




 

by otowelt | 2014-10-13 00:28 | 肺癌・その他腫瘍

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