中等症の市中肺炎に対するβラクタム単剤は、βラクタム+マクロライド併用療法に非劣性示されず

e0156318_20385895.jpg 非劣性マージンが事前に規定した数値を超えました。

Nicolas Garin, et al.
β-Lactam Monotherapy vs β-Lactam–Macrolide Combination Treatment in Moderately Severe Community-Acquired Pneumonia
A Randomized Noninferiority Trial
JAMA Intern Med. Published online October 06, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.4887


背景:
 中等度の市中肺炎に対する経験的治療として、マクロライド系抗菌薬をβラクタム系抗菌薬に加える臨床的な利益は議論の余地がある。

目的:
 中等症の市中肺炎に対するβラクタム+マクロライド併用と比較したβラクタム単独の非劣性を検証する。

方法:
 200年1月13日~2013年1月31日までに実施されたオープンラベル多施設共同ランダム化試験において、スイスの6施設に中等症市中肺炎で入院した580人の免疫正常成人患者を登録した。フォローアップは90日とした。患者は、βラクタム+マクロライド(併用群)あるいはβラクタム単独(単剤群)に割り付けられた。Legionella pneumophila感染症が検索され、陽性の場合は単剤群にもマクロライドを併用した。アウトカムは、臨床的に安定が得られない患者の頻度とした(臨床的安定:治療7日目の脈拍<100/分、収縮期血圧>90mmHg、体温<38℃、呼吸数<24/分、酸素飽和度>90%[室内気])。

結果:
 治療7日後に、単剤群では291人中120人(41.2%)、併用群では289人中97人(33.6%)に臨床的安定が得られなかった(差7.6%, P = .07)。片側90%信頼区間上限は13.0%で、事前に規定した8%を超えていた。非定型病原菌に感染した患者(ハザード比0.33、95%信頼区間0.13~0.85)あるいはPSIカテゴリーIVの肺炎(ハザード比0.81、95%信頼区間0.59~1.10)は単剤治療ではより臨床的安定が達成しにくかった。一方で非定型病原菌に感染していない患者(ハザード比0.99; 95%信頼区間0.80-1.22)あるいはPSIカテゴリーI~IIIの肺炎(ハザード比1.06; 95%信頼区間0.82-1.36)は2群ともに同等のアウトカムであった。30日時点での再入院率は、単剤群で多かった(7.9% vs 3.1%, P = .01)。死亡率、ICU入室率、合併症、在院日数、90日以内の肺炎再発は両群ともに差はみられなかった。

結論:
 中等症の市中肺炎で入院した患者において、βラクタム単剤治療による非劣性は示されなかった。非定型病原菌あるいはPSIカテゴリーIVの肺炎では、単剤治療で臨床的安定は得られにくかった。


by otowelt | 2014-10-10 00:19 | 感染症全般

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