COPD急性増悪の予防ガイドライン(ACCP/CTS)

 個人的には反論もいくつかありますが、まあ無難なガイドラインだと思います。ここでいう呼吸器リハビリテーションに、BMJの例の論文(COPD急性増悪への早期リハビリテーションは再入院率に効果なく12ヶ月死亡率を上昇)を考慮しなくてもよいのでしょうか?少なくとも当該論文はリファレンスには含まれておりませんでした。

Gerard J. Criner, et al.
Executive Summary: Prevention of Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: American College of Chest Physicians and Canadian Thoracic Society Guideline
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-1677



1. COPD患者において、総合医学的マネジメントの一環として23価肺炎球菌ワクチンの接種を推奨するが、COPD急性増悪の予防効果についてはエビデンスが十分でない(Grade 2C)。
2. COPD患者において、COPD急性増悪の予防のために年1回のインフルエンザワクチンの接種を推奨する(Grade 1B)。
3. COPD患者において、COPD急性増悪を予防するための包括的な戦略として、禁煙指導・治療を推奨する(Grade 2C)。
4. 最近(4週間以内)に急性増悪があった中等症、重症、最重症のCOPD患者において、COPD急性増悪を予防するために呼吸器リハビリテーションを推奨する(Grade 1C)。
5. 過去4週間よりも前に急性増悪があった中等症、重症、最重症のCOPD患者において、COPD急性増悪を予防するために呼吸器リハビリテーションを推奨しない(Grade 2B)。
6. COPD患者において、COPD急性増悪を予防するために教育だけを行うことは推奨しない(CB)。
7. COPD患者において、COPD急性増悪を予防するためにケースマネジメントだけを行うことは推奨しない(CB)。
8. 過去あるいは最近の急性増悪のエピソードを有するCOPD患者において、入院を要するCOPD急性増悪を予防するために、教育および最低月1回の専門家の受診によるケースマネジメントを推奨する(Grade 1C)。
9. 中等症~重症COPD患者において、ケースマネジメントを用いないアクションプランと教育は、救急部受信あるいは入院を要するCOPD急性増悪を予防できないと考える(Grade 2C)。
10. COPD患者において、入院や救急部受診を要する重症COPD急性増悪を予防するための記述式アクションプランおよびケースマネジメントを用いた教育を用いてもよい(Grade2B)。
11. COPD患者において、通常のケアと比較してテレモニタリングは救急部受診や入院を要するCOPD急性増悪を予防しないと考える(Grade 2C)。
12. 中等症~重症COPD患者において、中等症~重症COPD急性増悪を予防するため長時間作用性β2刺激薬はプラセボと比較して使用が推奨される(Grade 1B)。
13. 中等症~重症COPD患者において、中等症~重症COPD急性増悪を予防するため長時間作用性抗コリン薬はプラセボと比較して使用が推奨される(Grade 1A)。
14. 中等症~重症COPD患者において、中等症~重症COPD急性増悪を予防するため長時間作用性抗コリン薬は長時間作用性β2刺激薬と比較して使用が推奨される(Grade 1C)。
15. 中等症~重症COPD患者において、軽症~中等症COPD急性増悪を予防するため短時間作用性抗コリン薬は短時間作用性β2刺激薬と比較して使用してもよい(Grade 2C)。
16. 中等症~重症COPD患者において、中等症COPD急性増悪を予防するため短時間作用性抗コリン薬+短時間作用性β2刺激薬は短時間作用性β2刺激薬と比較して使用してもよい(Grade 2B)。
17. 中等症~重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するため長時間作用性β2刺激薬は短時間作用性抗コリン薬と比較して使用してもよい(Grade 2C)。
18. 中等症~重症COPD患者において、中等症~重症COPD急性増悪を予防するため長時間作用性抗コリン薬は短時間作用性抗コリン薬と比較して使用が推奨される(Grade 1A)。
19. 中等症~重症COPD患者において、軽度~中等症COPD急性増悪を予防するため短時間作用性抗コリン薬+長時間作用性β2刺激薬は長時間作用性β2刺激薬と比較して使用してもよい(Grade 2C)。
20. 安定した中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するため吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬(吸入ステロイド薬単独ではない)の維持療法はプラセボと比較して使用が推奨される(Grade1B)。
21. 安定した中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するため吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬の維持療法は長時間作用性β2刺激薬と比較して使用が推奨される(Grade 1C)。
22. 安定した中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するため吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬の維持療法は吸入ステロイド薬と比較して使用が推奨される(Grade 1B)。
23. 安定したCOPD患者において、COPD急性増悪を予防するため吸入抗コリン薬/長時間作用性β2刺激薬あるいは吸入抗コリン薬はいずれも効果的である(Grade 1C)。
24. 安定したCOPD患者において、COPD急性増悪を予防するため吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬あるいは吸入抗コリン薬はいずれも効果的である(Grade 1C)。
25. 安定したCOPD患者において、COPD急性増悪を予防するため吸入抗コリン薬/吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬あるいは吸入抗コリン薬はいずれも効果的である(Grade 2C)。
26. 適切な吸入治療にもかかわらず過去1年に1回以上の中等症あるいは重症のCOPD急性増悪の既往がある中等症~重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するために長期間マクロライドを使用してもよい(Grade 2A)。
 → COLUMBUS試験:アジスロマイシン維持療法はCOPD急性増悪の頻度を減少させる
 → アジスロマイシン1年間内服によりCOPD急性増悪のリスクが減少
27. 外来あるいは入院でCOPD急性増悪を起こした患者において、初回の発作を起こしてから30日以内のCOPD急性増悪による入院を予防するために、全身性ステロイドを経口あるいは静脈内に投与してもよい(Grade 2B)。
28. 外来あるいは入院でCOPD急性増悪を起こした患者において、初回の発作を起こしてから30日を超えた時点でのCOPD急性増悪による入院を予防するために、全身性ステロイドを経口あるいは静脈内に投与することが推奨される(Grade 1A)。
29. 慢性気管支炎を有し、過去1年に最低1回の急性増悪の既往がある中等症~重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するためにロフルミラストを使用してもよい(Grade 2A)。
 → ACROSS試験:COPDに対するロフルミラストの有効性
30. 安定したCOPD患者において、COPD急性増悪を予防するために1日2回の経口テオフィリン徐放製剤を投与してもよい(Grade 2B)。
31. 過去2年に2回以上の急性増悪の既往のある中等症~重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するために経口N-アセチルシステインを投与してもよい(Grade2B)。
 → PANTHEON試験:中等症~重症のCOPD患者に対するN-アセチルシステイン長期投与は急性増悪を抑制する
 → HIACE試験:高用量N-アセチルシステインはCOPD患者の末梢気道機能を改善、急性増悪の頻度も減少
 → メタアナリシス:COPDに対する高用量NACは急性増悪を抑制
32. 最大限治療をおこなっても急性増悪が続く外来安定COPD患者において、COPD急性増悪を予防するために経口カルボシステインを使用してもよい(CB)。
33. COPD急性増悪のリスクのある中等症~重症COPD患者において、COPD急性増悪を予防するためにスタチンを投与することは推奨されない(Grade 1B)。
 → ATS2014:STATCOPE試験:スタチンはCOPD急性増悪を減少させない



by otowelt | 2014-10-31 00:56 | 気管支喘息・COPD

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