アスベスト曝露によるびまん性胸膜肥厚の検討

e0156318_1514488.jpg びまん性胸膜肥厚の論文です。当院にもアスベスト曝露歴のある患者さんが来院されます。

Fujimoto N, et al.
Asbestos-Related Diffuse Pleural Thickening
Respiration 2014;88:277-284 (DOI:10.1159/000364948)


背景:
 アスベスト関連びまん性胸膜肥厚(DPT)の臨床的特徴についてはまだよくわかっていない。

目的:
 DPTの放射線学的な特徴と呼吸機能の関連性を明らかにすること。

方法:
 アスベスト曝露のある患者のデータを抽出した(職業歴や近隣アスベスト曝露、初期症状、mMRCスケール、喫煙歴、放射線学的所見、呼吸機能検査の結果)。

結果:
 2005年から2010年までの間に106人のDPT患者が同定された(103人が男性[97.2%]、3人が女性[2.8%])。診断時の年齢中央値は69歳だった。アスベスト曝露に関連する職業として、アスベスト生産業(17人)、造船業(14人)、建設業(13人)、断熱業務(12人)、鉛管工(7人)、アスベストふきつけ(7人)、電子業(7人)、運送業(4人)、解体業(4人)があった。アスベスト曝露期間中央値は25年(2-54年)だった。DPT発症までの潜伏期間は中央値で46年(25-66年)だった。肋骨横隔膜角の異常は、%肺活量と逆相関していた(r = -0.448, p < 0.01)。胸部CTにおける胸膜肥厚についても%肺活量と逆相関していた。

結論:
 DPTは長い潜伏期間を経て発症し、呼吸機能の低下をもたらす。DPTの広がりは胸部CTで評価すべきであり、胸部レントゲン写真では肋骨横隔膜角の評価が重要であろう。


by otowelt | 2014-11-05 00:47 | 呼吸器その他

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