生存した急性肺傷害の患者の長期死亡率は心原性肺水腫の患者と同等

e0156318_15104631.jpg 重症呼吸器疾患の長期フォローアップデータに重きを置いた研究です。

Christopher N. Schmickl, et al.
Comparison of Hospital Mortality and Long-Term Survival in Patients with Acute Lung Injury (ALI)/Acute Respiratory Distress Syndrome (ARDS) versus Cardiogenic Pulmonary Edema (CPE)
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-1371


背景:
 最も適切な治療を選択するために、急性肺傷害(ALI)と心原性肺水腫(CPE)の早期の鑑別診断は重要であるが、これらの鑑別が予後にどのような影響を与えるのかは研究されていない。人工呼吸器を装着する前に正確な予後情報を与えることは重要である。

方法:
 これは2006年から2009年に入院した急性肺水腫の成人患者コホートに基づいた長期フォローアップ研究である。ALIとCPEの診断は事後のエキスパートレビューによって確立された。ロジスティックCox回帰により、ALIとCPEの院内死亡率と長期生存を比較した。

結果:
 328人(ALI155人、CPE173人)のうち、240人(73%)が中央フォローアップ期間160日のうちに死亡した。交絡因子によって補正すると、ALIの患者は院内でより死亡しやすかったが(オッズ比4.2、95%信頼区間2.3-7.8、p<0.001)、在院中に生存した患者のフォローアップ中の死亡リスクは両群ともに同等であった(ハザード比1.13, 95%信頼区間0.79-1.62, P=0.50)。独立死亡予測因子には、年齢、APCHE IIIスコアが含まれた。
 ALI患者をARDS(ベルリン基準を満たすもの)のサブセット患者にしぼっても、その結果は同じであった。事後解析において、在院中に生存した患者の死亡率をアメリカの一般人口と比較すると有意に最初の2年で高かったが、その後5年で収束に向かった。

結論:
 CPE患者と比較してALI/ARDSの院内死亡率は高かったものの、在院中に生存患者の長期フォローアップではその生存は両群とも同等であった。


by otowelt | 2014-12-16 00:48 | 集中治療

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