中等症の気管支喘息に対してブデソニド/ホルモテロールのレスキューのみでの管理はアウトカム不良
2014年 12月 18日
シムビコートのSMART療法に関するスタディかと思ったのですが、何か違和感が残る研究です。正直、何を比較したいのかよくわかりませんでした。
中等症の気管支喘息に対してICS/LABAの頓用使用だけでコントロールすることはそもそもありませんし・・・。
Alberto Papi, et al.
Regular versus as-needed budesonide and formoterol combination treatment for moderate asthma: a non-inferiority, randomised, double-blind clinical trial
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 4 December 2014, doi:10.1016/S2213-2600(14)70266-8
背景:
治療ガイドラインでは中等症の遷延性喘息患者に対して吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用定期使用に加えて、短時間作用性の気管支拡張薬のレスキュー使用が推奨されている。われわれは、定期使用なしで症状出現時にブデソニド/ホルモテロールをレスキュー使用するだけの治療と、定期使用とレスキューを組み合わせた治療を中等症の気管支喘息患者において比較検討した。
方法:
この非劣性ランダム化比較試験において、われわれは成人の中等症の遷延性喘息患者(18~65歳)を登録した。6週間のrun-in period(ブデソニド/ホルモテロール+レスキューテルブタリン)ののち、患者は1:1にプラセボ定期1日2回吸入+レスキューブデソニド160μg/ホルモテロール4.5μg(レスキューブデソニド/ホルモテロール群)あるいは、1日2階のブデソニド160μg/ホルモテロール4.5μg+レスキュー500μgテルブタリン(定期ブデソニド/ホルモテロール群)に1年間割り付けた。
プライマイラウトカムは、治療失敗までの期間とした(Kaplan-Meier)。
結果:
2009年4月20日から2012年3月31日までの間、われわれは1010人の中等症気管支喘息の患者をスクリーニングし、866人をランダム化した(424人レスキュー群、442人定期群)。
定期使用群と比較して、レスキュー群では1年時点での治療失敗がない頻度が少なかった(治療失敗が多かったということ)(Kaplan-Meier:レスキュー群53.6% vs 定期群64.0%、差10.3% [95%信頼区間3.2—17.4]、※事前に定義した非劣性限界9%)。また、レスキュー群の患者は治療失敗までの期間が短かった(第1四分位[25%の患者]の到達:11.86週 vs 28.00週)。治療失敗の差には夜間の覚醒が大きく寄与した(レスキュー群82人、定期群44人)。
結論:
中等症の気管支喘息の患者においてレスキューのブデソニド/ホルモテロールを使用する(定期使用はなし)治療法は、ガイドラインですすめられているようにブデソニド/ホルモテロールの定期使用を用いるよりも効果が低い。ただし、その差は小さかった。
中等症の気管支喘息に対してICS/LABAの頓用使用だけでコントロールすることはそもそもありませんし・・・。
Alberto Papi, et al.
Regular versus as-needed budesonide and formoterol combination treatment for moderate asthma: a non-inferiority, randomised, double-blind clinical trial
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 4 December 2014, doi:10.1016/S2213-2600(14)70266-8
背景:
治療ガイドラインでは中等症の遷延性喘息患者に対して吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用定期使用に加えて、短時間作用性の気管支拡張薬のレスキュー使用が推奨されている。われわれは、定期使用なしで症状出現時にブデソニド/ホルモテロールをレスキュー使用するだけの治療と、定期使用とレスキューを組み合わせた治療を中等症の気管支喘息患者において比較検討した。
方法:
この非劣性ランダム化比較試験において、われわれは成人の中等症の遷延性喘息患者(18~65歳)を登録した。6週間のrun-in period(ブデソニド/ホルモテロール+レスキューテルブタリン)ののち、患者は1:1にプラセボ定期1日2回吸入+レスキューブデソニド160μg/ホルモテロール4.5μg(レスキューブデソニド/ホルモテロール群)あるいは、1日2階のブデソニド160μg/ホルモテロール4.5μg+レスキュー500μgテルブタリン(定期ブデソニド/ホルモテロール群)に1年間割り付けた。
プライマイラウトカムは、治療失敗までの期間とした(Kaplan-Meier)。
結果:
2009年4月20日から2012年3月31日までの間、われわれは1010人の中等症気管支喘息の患者をスクリーニングし、866人をランダム化した(424人レスキュー群、442人定期群)。
定期使用群と比較して、レスキュー群では1年時点での治療失敗がない頻度が少なかった(治療失敗が多かったということ)(Kaplan-Meier:レスキュー群53.6% vs 定期群64.0%、差10.3% [95%信頼区間3.2—17.4]、※事前に定義した非劣性限界9%)。また、レスキュー群の患者は治療失敗までの期間が短かった(第1四分位[25%の患者]の到達:11.86週 vs 28.00週)。治療失敗の差には夜間の覚醒が大きく寄与した(レスキュー群82人、定期群44人)。
結論:
中等症の気管支喘息の患者においてレスキューのブデソニド/ホルモテロールを使用する(定期使用はなし)治療法は、ガイドラインですすめられているようにブデソニド/ホルモテロールの定期使用を用いるよりも効果が低い。ただし、その差は小さかった。
by otowelt
| 2014-12-18 00:13
| 気管支喘息・COPD