クリスマスBMJ:病院の待合室にはなぜ古い雑誌しか置いていないのか

 「古い雑誌は生き残った雑誌である」。そういうことです。それにしても1日1冊消える待合室ってどんなんやねん、と思ってしまいます。患者さんがこっそり持って帰ってるんでしょうけど。
 昨年のチョコレートの論文に似た感じですね。

病棟に置いたチョコレートの生存期間中央値は51分

Bruce Arroll, et al.
An exploration of the basis for patient complaints about the oldness of magazines in practice waiting rooms: cohort study
BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g7262 (Published 11 December 2014)


目的:
 病院の待ち合い室にある雑誌のほとんどが古いという患者からの不満の根本を調査すること。

デザイン:
 コホート研究

セッティング:
 ニュージーランドのオークランドにおける一般診療待合室

対象:
 待ち合いにある山積みされた87冊の雑誌。非ゴシップ誌:タイム誌やエコノミスト誌、オーストラリア女性ウィークリー、ナショナルジオグラフィック、BBCヒストリーなど。ゴシップ誌:訴訟をおそれがあり明記しない。
 ゴシップは、表紙に5つ以上の有名人の写真が載っているものと定義され、10以上の写真が載っているものはもっともゴシップ性が高い雑誌と定義した。

介入:
 雑誌の裏表紙に番号を振り、待合室の雑誌の3つの山に置き、週に2回モニタリングする。

アウトカム:
 発刊2ヶ月以内の雑誌と発刊3~12ヶ月の雑誌について、雑誌全消失率を比較する。またゴシップ誌の消失率と非ゴシップ誌の消失率を比較。

結果:
 87の雑誌のうち82で表紙に日付が確認され、47は2ヶ月以内の新しい雑誌だった。新しい雑誌47のうち28(60%)、古い雑誌35のうち10(29%)が消失していた(P=0.002)。
 31日後、87のうち41(47%, 95%信頼区間37-58%)が消失。これは1日に1冊以上の雑誌が消失している計算になる。ゴシップ誌は27のうち26(96%)が消失したが、非ゴシップ誌(タイム誌やエコノミスト誌)は19のうちは1つも消失しなかった(P<0.001)。
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(文献より引用)

結論:
 病院の待合室には、主に古い雑誌が置かれている。この現象は古い雑誌が供給されているというよりも、新しい雑誌が消失していることと関連しているのではないだろうか。ゴシップ誌は非ゴシップ誌よりも消失しやすい傾向がある。コストの観点からは、古い非ゴシップ誌を待合室に供給することをおすすめする。


by otowelt | 2014-12-19 17:25 | その他

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