メトホルミンはIV期非小細胞肺癌において全生存期間を延長

e0156318_17553353.jpg 癌とは関係のない特定の薬剤が“抗腫瘍効果”として話題にのぼることがチラホラあります。

Jenny J Lin, et al.
Survival of Stage IV Lung Cancer Patients with Diabetes Treated with Metformin
Am J Respir Crit Care Med. First published online 18 Dec 2014 as DOI: 10.1164/rccm.201407-1395OC


背景:
 過去の研究で、乳癌や直腸結腸癌の患者におけるメトホルミンの抗腫瘍効果が報告されている。しかしながら、肺癌におけるこの効果についてはまだ不明である。

目的:
 糖尿病を有する病期IVの非小細胞肺癌の患者で、メトホルミンを使用している患者と使用していない患者の全生存期間を比較する。

方法:
 SEERデータベースを用いて、糖尿病を有する65~80歳の病期IVの非小細胞肺癌患者750人を同定。傾向スコアを用いて、潜在的な交絡因子を補正しメトホルミン使用と全生存期間の関連を調べた。

結果:
 61%の患者がメトホルミンを肺癌診断時に使用していた。全生存期間中央値は、メトホルミン使用群で5ヶ月、非使用群で3ヶ月と有意にメトホルミン使用群の方が長かった(p<0.001)。
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(文献より引用)
 
 傾向スコアによる解析では、社会経済学的背景、糖尿病重症度、糖尿病のその他の内服、癌の特性、癌の治療内容で補正した場合、メトホルミン使用は統計学的に有意に生存を延長した(ハザード比0.80, 95%信頼区間0.71 to 0.89)。
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(文献より引用)

結論:
 メトホルミンは、病期IVの非小細胞肺癌の糖尿病患者において生存期間を延長させる抗腫瘍効果を有する。


by otowelt | 2015-01-09 00:12 | 肺癌・その他腫瘍

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