日本の特発性間質性肺炎の現状

e0156318_16214955.jpg 日本の呼吸器内科医は必読の論文かと思います。

Bando M, et al.
A prospective survey of idiopathic interstitial pneumonias in a web registry in Japan
Respir Investig, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2014.11.001


背景:
 これまでに日本における特発性間質性肺炎(IIPs)の臨床経過や治療に関する大規模な前向きの多施設共同疫学研究はなかった。この研究の目的は、日本の現在のIIP診療の現状を明らかにすることである。

方法:
 この研究は、厚生労働省びまん性肺疾患研究班の援助を得ておこなわれたものである。データには臨床所見、臨床経過、IIPの治療などが含まれている。

結果:
 5年の期間の間に、合計436人のIIPの患者が19施設から新規に登録された。特発性肺線維症(IPF)はもっとも頻度の多いIIPであり、IPFの28%が胸部レントゲン写真やCTで無症候性に診断されていた。
 IPFは78.8%が男性であり、92.2%が50歳を超えて発症していた。対してNSIPは女性の方が56.1%と多く、IPFと同様50歳を超えて発症している例が多かった。初診時に呼吸困難感の症状を訴えていたのは、IPFで45.2%、NSIPで57.3%だった。IPFの95.3%が3ヶ月以上の非常に緩徐な症状発現であった。IPFの患者では96%にfine cracklesが聴取され、ばち指を呈していたのは33%だった。血清KL-6は81%のIPF患者で上昇がみられた。
 2008年度までには、ほとんどのIPFに対しては何ら治療は導入されていなかった。しかし2008年の終わりになるとピルフェニドンが承認され、無治療を推奨される患者は減少し、ピルフェニドオンは2009年の辞典っで32.9%の患者に処方されていた。
e0156318_11153434.jpg
(文献より引用:グレードI~IIの治療内容)
e0156318_11154661.jpg
(文献より引用:グレードIII~IVの治療内容)

 IPFの症状発現および初診時からの生存期間中央値は、それぞれ105ヶ月、69ヶ月だった。
e0156318_11171691.jpg
(文献より引用:症状発現および初診時からの生存期間)

結論:
 この研究は日本の現在のIIP診療を理解する上で価値ある情報を提供するものである。


by otowelt | 2015-02-05 00:00 | びまん性肺疾患

<< 既治療非小細肺癌に対するアファ... 関節リウマチによる肺高血圧症は... >>