IPF患者は虚血性心疾患のリスクが高い

e0156318_9301181.jpg ERSで“リスクファクター・ストーム”なんて言い方をされたこともありました。IPF患者ではなぜか血管疾患のリスクが高いとされています。

William Dalleywater, et al.
Risk Factors for Cardiovascular Disease in People With Idiopathic Pulmonary Fibrosis:
A Population-Based Study
Chest. 2015;147(1):150-156.


目的:
 特発性肺線維症(IPF)の患者は心血管疾患リスクが上昇するが、その理由についてはよくわかっていない。この研究の目的は、IPF患者およびコントロールにおける心血管疾患の有病率を比較し、IPF診断後の虚血性心疾患や脳卒中の有病率を調べることである。

方法:
 イギリスのIPFおよび一般人コントロールのデータベースを用いた。われわれは、診断前のIPF患者における心血管疾患リスク因子や心血管疾患への処方の頻度をコントロールと比較し、診断後のIPF患者の虚血性心疾患や脳卒中の発生を調べた。

結果:
 合計3211人のIPF患者および12307人のコントロール患者が登録された。IPF患者はより高血圧(オッズ比1.31、95%信頼区間1.19-1.44)や糖尿病(オッズ比1.20、95%信頼区間1.07-1.34)を有していた。また、IPF患者は心血管疾患に対する処方を受けている頻度が多かった。
 IPF患者における初回の虚血性心疾患の発生率は、コントロール患者のおよそ2倍であったが(率比2.32、95信頼区間1.85-2.93、P < .001)、脳卒中の頻度は統計学的には有意とは言えないレベルの差であった(P = .09)。心血管疾患リスク因子によって補正してもこの結果は変わらなかった。

結論:
 IPF患者では、いくつかの心血管疾患リスク因子が多く観察されたが、虚血性心疾患の増加の大部分に寄与しているとは言えなかった。


by otowelt | 2015-01-14 00:52 | びまん性肺疾患

<< 末梢型肺癌の診断におけるEBU... 海外の吸入デバイスの紹介 >>