定期的に制酸剤を投与されていないGERDはCOPD急性増悪のリスクを上昇させる

e0156318_14312949.jpg GERDとCOPD急性増悪の関連については既知の知見です(N Engl J Med. 2010 Sep 16;363(12):1128-38、Thorax. 2008 Nov;63(11):951-5.[京都大学の研究])。COPDの治療薬が下部食道括約筋圧を低下させるのではないかという意見もありましたが、現在は胃酸そのものが気道の慢性炎症を惹起しているとする意見が趨勢を占めています(Arch Bronconeumol. 2011 Apr;47(4):195-203.)。

TRULS S. INGEBRIGTSEN, et al.
Gastro-esophageal reflux disease and exacerbations in chronic obstructive pulmonary disease.
Respirology (2015) 20, 101–107 doi: 10.1111/resp.12420


背景および目的:
 われわれは、GERDがCOPD急性増悪のリスク因子であるという仮説を検証した。

方法:
 the Copenhagen City Heart Studyの9622人の参加者のうち、COPDとGERD・制酸剤処方の情報があった1259人を抽出した。治療を要するCOPD急性増悪(短期ステロイドや抗菌薬による治療)がみられた症例について5年フォローアップした。COPD急性増悪やGERDのリスク因子(COPD重症度や症状等)で補正を行い多変量Cox回帰分析をおこなった。

結果:
 GERDのない患者と比較して、GERDのあるCOPD患者はより慢性気管支炎を有していた(31 vs 21%, P = 0.004)。また、より息切れが強く(39 vs 22%, P < 0.001)、呼吸器系感染症の既往が多かった(6.8 vs 1.4%, P < 0.001)。
 GERDを有するCOPD患者のうち、制酸剤を定期的に使用していない患者ではCOPD急性増悪のリスクが高かった(ハザード比 2.7、95%信頼区間1.3–5.4, P = 0.006)。GOLD III-IVのサブグループ解析でも同様にリスクを増加させた(p=0.02)。
 また、定期的に制酸剤を使用している患者では急性増悪のリスクは高くなかった(ハザード比1.2、95%信頼区間0.6-2.7、p=0.63)。同様にGOLD III-IVのサブグループ解析でもリスク増加はみられなかった。

結論:
 GERDは治療を要するCOPD急性増悪のリスク増加と関連しているが、定期的に制酸剤を使用していない患者にのみ有意なリスク増加がみられた。


by otowelt | 2015-01-20 00:33 | 気管支喘息・COPD

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