EBUS-TBNAは中等度の鎮静でも全身麻酔下でも診断能・合併症・忍容性に差はない

e0156318_16584987.jpg 日本でも、ミダゾラムやプロポフォールを使った鎮静が増えてきていると思います。当院でも然りです。

Roberto F Casal, et al.
Randomized Trial of Endobronchial Ultrasound-guided Transbronchial Needle Aspiration under General Anesthesia versus Moderate Sedation
Am J Respir Crit Care Med. First published online 09 Jan 2015


背景:
 EBUS-TBNAの診断能、合併症、忍容性について鎮静の種類が及ぼす影響について論じた研究はレトロスペクティブの研究がほとんどであり、その内容は一致していない。

目的:
 EBUS-TBNAの診断能、合併症、忍容性に鎮静の種類がおよぼす影響を調べること。

方法:
 EBUS-TBNAを選択される患者は、想定する疾患は良悪性を問わず、縦隔あるいは肺門リンパ節が腫大しているかエコーで同定できる腫瘤があるものとした。患者は1:1にランダムに全身麻酔下あるいは中等度の鎮静のもと実施する群に割り付けられた。病理医に対してはランダム化は盲検化され、迅速細胞診が全ての処置に実施された。
 全身麻酔に割り付けられた患者は、静脈麻酔を受けラリンジアルマスクを装着した(薬剤はプロポフォール、レミフェンタニル、エトミデート、ケタミンなどを併用可とした)。
 中等度の麻酔群に割り付けられた患者は、1%リドカイン局所麻酔に加えてミダゾラム+フェンタニルの併用をRASS2-3を目指して実施された。

アウトカム:
 主要アウトカムは診断能とした。これはEBUS-TBNAを実施した患者で特異的な診断が得られたものの割合と定義した。その他、合併症や患者の忍容性(アンケート調査)を調べた。

結果:
 149人の患者がEBUS-TBNAを受け、75人が全身麻酔群、74人が中等度鎮静群に割り付けられた。患者背景およびリンパ節の特性に差はみられなかった。
 診断能は全身麻酔群70.7%、中等度鎮静群68.9%だった(p=0.816)。感度はそれぞれ98.2%、98.1%とこれも差はみられなかった(p=0.979)。
e0156318_1654155.jpg
(文献より引用)

 合併症についても差はなかった。アンケート調査では、両群のほとんどの患者はもう一度処置を受けなければならない場合、同じ方法を受けるかと問われたとき「間違いなく選ぶだろう」と答えた(p=0.355)。処置中の咳嗽については差はなかったが、呼吸困難感は全身麻酔群の方が有意に多かった。

結論:
 全身麻酔と比較して、中等度の鎮静であってもEBUS-TBNAは十分な診断能が得られ、合併症、忍容性にも問題はなかった。


by otowelt | 2015-01-29 00:36 | 気管支鏡

<< 閉塞性睡眠時無呼吸は急性冠症候... 入院を要する市中肺炎に対する全... >>